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舞台『ソフィストリー―詭弁―』―内容編

アメリカ東部の大学を舞台に、あるセクハラ事件をめぐる男女6人の学生の気持ちの揺れと、彼らの卒業までを描いた翻訳劇です。

6人の若い役者さん達が皆キュートでした。

6人はダブルキャストで組まれていて、名前を知っているのが黒田勇樹さんだけだったので、黒田さん主演のクローバーチームのチケットを取りましたが(実はもうひとり、あの人だったの!という人がいたのですが)、スペードチームも観たかったです。

公演情報は「劇場編」にあります↓
べきらふぁいる:舞台『ソフィストリー―詭弁―』―劇場編(2006-10-04)

原作はジョナサン・マーク・シャーマン、訳と演出は青井陽治氏です。

青井陽治氏といえば、2年前の東京厚生年金会館で観た『ヘドウィグ アンド アングリーインチ』(2004年6月/訳・演出 青井陽治)を思い出します。

衝撃波のようすさまじいエネルギーに圧倒された舞台でした。

終演時のスタンディングオベーションも、立ち上がろうかどうしようか考えるまでもなく、気がつくとまわりの観客と同時のタイミングで立って拍手していました。

映画は未見で内容をまったく知らず、ロック音楽が好きというわけでもなく、ただなにかの雑誌に載っていたチラシ画像(三上博史さん演じるマッシュルームヘアのヘドウィグが裸の胸に両手をあてている)に惹かれるものを感じて、ひとりで出かけていったのです。

三上さん演じるヘドウィグの、醜悪と隣り合わせの破壊的美しさに圧倒されて、頭がぼーっとしてしまったものです。

大きな悲しみを背負っているヘドウィグですが、でも同時に毒もしたたかさもあって、憐れみと嫌悪感が同時に湧き上がってくるような、摩訶不思議な舞台でした。

なお、『ヘドウィグ~』は来年2007年2月に山本耕史さん主演で上演されます。

・サンスポ芸能ニュースより:
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200610/gt2006100601.html

・eプラスTheatrix!より:
http://blog.eplus.co.jp/etheatrix01/2006-10-06Hedwig



今回の『ソフィストリー』はまるで異なる内容ですが、学園ものというとありがちな、ひたすら爽やかな青春謳歌ものにならず、きわどさとどこか若者達をつきはなすようなドライさがあるところが青井作品らしさかとおもいました。

↓ネタバレありレポ
定年を間近に控えたホワイティー教授(演・中山 仁さん)は言う――仕掛けてきたのはジャックのほうだと。

ところが大学側に教授を告発した学生ジャック(演・中村優一さん)は、ホワイティー先生に肉体関係を強要されたと言う。

真相が明らかにならないまま、大学は教授を解雇する。

教授は学生達に人気があったというわけではなく、むしろ地味で目立たない存在だったが、大学側の一方的なやり方そのものに憤慨した新聞部のロビン(演・田畑亜弥さん 清楚で上品!)が調査に乗り出し、ロビンのボーイフレンドのエクス(演・黒田勇樹さん)とその仲間達も一応ロビンに同調するが、男の子達はどうも中途半端で地に足が着いていない。

エクスなど、ロビンが取材に走り回っているあいだにロビンの女友達で色っぽいデビー(演・大貫杏里さん ほんとにナイスバディー!)と急接近してしまう。

嘘をついているのは教授とジャックのどちらなのか学生達は悩み、悩むなかで自分達はどういうおとなになろうとしているのか、取るべき道を模索していく。



両チームに共通で出演した中山 仁さん、事件勃発の前から学生達に「どうやらホモらしい」と噂されていた情けない初老教授、という設定にしては素敵すぎます(笑)

ジャックが教授を誘惑するのと、教授がジャックに無理強いするのと、二通りのシーンが演じられますが、芝居としては前者のほうがよかったです。

いやがるジャックに酒を飲ませたうえ、「服を脱ぎなさい!」と強圧的に命令する中山さんがどうにも似合っていなくて、むしろ子猫のようなジャックにまとわりつかれてオロオロしているもうひとつのパターンのほうが自然でした。

ジャック役の中村優一さん、プログラムやチラシ掲載のあどけない少年写真ではまったく気付かなかったのですが、舞台上で別人のように目つきの鋭い表情をするのを観ているうちに、特撮ヒーローファンの血が「この人、どこかでみたことがある……」と訴え始めました。

「先生、S○Xして……」と教授に迫る艶めかしさや体当たり全裸シーンに目がチカチカしてしまってなかなか思い出せなかったのですが、ようやく『仮面ライダー響鬼(ひびき)』の屈折した高校生・桐矢京介(きりや・きょうすけ)クンだったと思い当たりました。

演技が上達しましたね――クスリと酒でボロボロになりながら男を誘惑しようとするジャックは、名作漫画『風と木の詩』のジルベールを彷彿とさせる狂気と妖艶さで息を呑みましたし、テーブルをはさんで教授と差し向かいに座って強い酒を何杯もあおるシーンなどは、ベテラン中山さんを相手にして堂々としたものでした。

事件の真相は結局明らかにならず、教授は大学を去ります。

ストーリーはエクスとロビンの恋愛関係がどう収束するかに焦点が移っていくのですが、観客としてはジャックはどうなってしまったのだろうという疑問を抱えたままでいたところ、ラスト近くに通行人のように一瞬だけジャックが通り過ぎるシーンが用意されていて、そのときのジャックは何事もなかったように穏やかな表情――中村さんプロフィール写真のような――をしていました。

事件は過去のものであり、ジャックも今では平静を取り戻しているという演出意図とおもわれ、観ているほうも安心しましたが、それにしても中村さんの表情の豹変ぶりは驚嘆もので、将来が楽しみだとおもいました。

優等生でしっかり者のロビン・田畑さんと、マスクも考え方も甘いエクス・黒田さんはバランスがぴったりのカップルでした。

エクスが浮気しそうになるデビー・大貫さんがまたよかったです。

ロビンの友達でありながら正反対の派手なタイプで、男の子にも不自由しないけれど、実はデビーもみんなと同じように自分の現状に疑問とを感じています。

「あたし、……淫売みたい」というセリフがせつなかったです。

デビーのノーブラ・ぴったりニットの豊満バストラインにまたもや目がチカチカしているうちに、エクスが彼女を自分の部屋へ引っ張り込むことに成功、濃厚なラブシーンが始まります。

なにしろ客席と舞台が非常に近い、というよりは客席のなかにセットを持ち込んで芝居をしているような一体感のなかなので、若い役者さんもたいへんでしょうが観ているこちらもいたたまれません(笑)

エクスの友人ウィリー役・野島直人さんのブログに公演期間中のきめ細かいレポがありますが、舞台写真がupされている記事がありました。

・「いよいよ千秋楽。」(2006-09-09):
http://www.pacvoice.com/artist/naoto/2006/09/post_224.php#more
※手前の白いベッドのあるが部分がエクスの部屋で舞台の最先端、画像奥のグレイの壁の部分が舞台最奥。エクスはこの手前の白いベッドにデビーを押し倒します。正面ブロック最前列のお客さんと白いベッドは1メートルくらいしか離れていません。上手ブロックの客席がちらりと写っています。

観客は三方から舞台を囲むスラストステージ形式なうえに照明が明るいままなので、延々とくんずほぐれつしているふたりをはさんで反対側で観ているお客さんといやでも対面状態になってしまい、ばつが悪いことこのうえない状況でした。

やっとそのシーンが終わったとおもったら、今度はエクスとウィリーとの突然のキスシーン!――彼らはホモセクシュアルではなく、ちょっとした「勢い」だったのですが、これがまた長いのなんの(10秒以上はあったかと)、ようやくふたりの身体が離れたときには客席中がほっとするのがわかりました。

こういうふうに疲れさせてくれるのもまた、青井演出の醍醐味なのでしょうね。

困惑する観客の顔を見て満悦の演出家が思い浮かびます(開演直前に正面ブロック最後列に座った黒衣の男性?)。

また、ウィリー役野島さんが劇中でほんのワンフレーズ歌を口ずさむシーンがあったのですが、これがさすがミュージカル俳優だけあって、一瞬にして空気の色が変わったような素晴らしい歌唱力でした。

逞しいウィリーと線の細いエクスもまた、いいカップル(?)でした(↑のロングキスシーンで、べきらはたまらず途中から目をそらしてしまったのですが、ふと彼らの足元を見ると、ウィリーより少し背が低いエクスのスニーカーが懸命に背伸びしているのが目に入って、なんとも可愛かったです――こういう細かい演技を楽しめるのも小劇場空間のよさですね)。

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黒田勇樹

黒田勇樹黒田 勇樹(くろだ ゆうき、1982年4月23日 - )は、日本の俳優。東京都世田谷区出身。血液型O型。身長171cm。星座おうし座。趣味はゲーム マンガ 映画略歴*1歳からモデルとしてCMや雑誌で活躍。*1988年 - NHK大河ドラマ『武田信玄 (NHK大河ドラ

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べきら

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