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年末年始の演劇雑誌

冬の公園2
















帰省するところがない(毎日帰省していますので……)東京人のわたしは、ひさしぶりに近所の公園を散歩するなどしてお正月を過ごしました。
これでも東京都内です。
画面左奥にみえる池では、たくさんのカモ達が水しぶきをあげて活発に泳いでいました。



・『悲劇喜劇』2010年2月号
早川書房/2010年1月7日発売/1,300円
「特集・ゼロ年代の野望」が面白かったです。
小劇場演劇界で名を馳せた6名の劇団主宰による、今年2010年を含めたこれからの展望です。
hayakawa onlineの当該号ページより

ここ一年ほどのわたしたちと私/岡田利規
異界へのチューニング/前川知大
「物語」を創りたいと思う。/松井 周
『演劇LOVE』のこれから/多田淳之介
サイコーの挨拶をして歩く旅/岩井秀人
二〇一〇年もう、宇宙の旅だ。今年の抱負とか言ってる場合じゃないよ。/前田司郎

このなかでは、わたしは岡田利規氏とチェルフィッチュにもっともなじみがありますので、やはり岡田さんの内容を興味深く読みました。
『友達』(2008年世田谷パブリックシアター)、『タトゥー』(2009年新国立劇場)という2本の公共劇場公演の演出を経て、これからは(「もうよほどのことでもない限り」←岡田氏文中より引用)チェルフィッチュ公演に専心するという旨の展望には劇団ファンとしてほっとしました。
このことは岡田さんのブログでも以前読んだ記憶がありますが、こうして雑誌という公共の場で読みますと、これからはチェルフィッチュ公演=純正岡田ワールドを観られる!とあらためて嬉しくなります。
『友達』は映像使いがきれいでしたし、『タトゥー』は塩田千春氏の何百という窓が舞台スペースのほとんどを占める美術の迫力が素晴らしかったのですが、両作品ともテレビでみたことのある有名俳優やベテラン舞台俳優をはじめとするキャスト陣と岡田さんの世界とのあいだにへだたりをかんじざるをえませんでした。
あの独特の音楽性と神経の繊細さが徹底している世界は、よほど強力な価値観の共有がキャストのなかにないかぎり成立させることはむずかしいのだろうとおもいます。
来月2010年2月からの『わたしたちは無傷な別人であるのか?』は、密着感がありそうなSTスポット(←べきら未訪)での観劇を希望していたのですが、プリコグの先行発売で希望日時がとれず、横浜美術館レクチャーホールのほうになんとか予約できました。
2009年10月にベルリンで初演されたという新作『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』もぜひ観たいです。
文末に東京や京阪神でも公演したい、という記述がありましたので、ぜひにと楽しみにしています。

あと、前田司郎氏の全編前田節な文を刮目しつつ楽しく読みました。
わたしは五反田団未見で、前田作品としては『混じりあうこと、消えること』(2008年6月/新国立劇場/作:前田司郎、演出:白井 晃)を観ただけなのですが、人が死ぬことと生きることがまさに混じりあって浮き沈みしているようなジェル状ないしは軟骨的といえる世界(←「軟骨」は前田氏文中より借用)が印象に残っています。
本気で演出するとうまくいかないのでもっと適当にやらなければ、――
2010年はもっと考えないように考えないと、――
などの茫洋さに、今年はなんとかして五反田団を観たい、とおもいました。

↓べきらの観劇歴
岡田利規氏(チェルフィッチュ主宰)→『エンジョイ』『フリータイム』『友達』『タトゥー』(『三月の5日間』はDVDで観ました)
前川知大氏(イキウメ主宰)→未見
松井 周氏(サンプル主宰)→『あの人の世界』
多田淳之介氏(東京デスロック主宰)→未見
岩井秀人氏(ハイバイ主宰)→『おねがい放課後』(2007年5月こまばアゴラ劇場版)
前田司郎氏(五反田団主宰)→『混じりあうこと、消えること』

演劇雑誌の楽しみの定番は、記者や評論家諸氏による観劇レポにあります。
自分が観た作品を観劇のプロはどう評価するのかがとくに気になります。
本誌では河合祥一郎(東京大学准教授)氏と山口宏子(朝日新聞論説委員)氏の対談による「演劇時評」がそれにあたります。
老舗どころのなかに「甘い丘」KAKUTA、「ナイルの死神」花組芝居、「十二夜」スタジオライフがとりあげられているのが嬉しかったです。
なかでも女性観客がほとんどの男優劇団スタジオライフについての河合氏の経験談、
↓引用
「こちらはスタジオライフというお芝居ですが」と注意されてしまうほどです
↑引用ここまで
には苦笑してしまいました。
いろいろな小劇場演劇を観に行くなかで、わたしにも似た経験があるからなのです。
「こちらは○○(←劇団名)ですが……」ととまどい気味にスタッフにいわれると、なんとも悲しい気持ちになるものです。
万人向けではない、特化した個性こそ小劇場の醍醐味ですので、閉鎖性もまた魅力のうちと捉えるべきなのでしょうけれど。



・『シアターガイド』2010年2月号
モーニングデスク/2009年12月28日発売/420円
シアターガイド 2010年 02月号 [雑誌]








こちらの観劇レポ記事(「あの舞台どうだった? STAGE GALLERLY」)にはカラー舞台写真が掲載されます。
今号では、『ヘンリー六世』『グレイ・ガーデンズ』という大型資本作品と、パラドックス定数『東京裁判』(再演)がならんでいたのがよかったです。
わたしは初演で大いに感銘を受けたものの、劇場環境の厳しさに負けて再演はあきらめてしまいました。
そのほかのレギュラーページでは、「あの人は何を観る? わたしの今月」は毎号欠かさず読みます。
小劇場系から商業演劇系、歌舞伎系、ミュージカル系と幅広い舞台人達の自社宣伝含みの観劇予定が面白いです。



・『テアトロ』2010年1月号
カモミール社/2009年12月12日発売/1,260円
テアトロ 2010年 01月号 [雑誌]








毎号の観劇レポ記事は、7氏がそれぞれにベストスリーを選ぶ「劇評」です。
モノクロ舞台写真が掲載されます。
『悲劇喜劇』に載ったKAKUTA「甘い丘」はここでも江原吉博氏、村井 健氏にとりあげられています。
「特集 Series仕事 劇作家の仕事」の筆頭、別役 実氏の「手が書く」に滋味が満ちます。

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