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舞台『エドワード・ボンドの「リア」』

シェイクスピアの『リア王』とは時代も設定も異なる、1971年初演の戯曲です。
人民を過酷に使役して「壁」を築かせる暴君リアはふたりの娘達によって追放され、心優しい若者とその妻コーディリア(シェイクスピア版ではリアの三女)に助けられます。
若者はリアを追う政府軍に殺され、コーディリアは反乱軍のリーダーになります。
リアの娘達は敗れますが、政権を握ったコーディリアはやはり「壁」を作り続ける行動に出ます。
初演当時はベルリンの壁と共産主義に関連付けられた作品ですが、現代の日本で上演する白井 晃演出は権力の興亡ということのさらに奥に踏み込んだ、社会に対する人間の在り方を「壁」に見出そうとしているようにかんじました。

客席のほうに大きく張り出した長方形の舞台は、断面がH型をしたほんものの鋼材が縦横に使われ、高く組まれた足場や散在する道具など建築現場のイメージです。
これらの建築資材をリアルに使って音を出す演出が斬新でした。
たとえば銃声は塗料(?)缶を金槌で叩いて表現しますし、音楽の朝比奈尚行氏はぴんと張られたワイヤを胡弓のように演奏したりします(朝比奈さんは俳優「あさひ7オユキ」としても出演)。
白井演出に特徴的な蛍光灯も健在でした。
蛍光灯は無機的、味気ない、冷たいなどのイメージがありますが、白井さんの作品では真実を照らし出すかのようなかっこいい使われ方をします。
ぎょっとさせられる内臓系の演出は白井さん出演、串田和美演出の『桜姫』現代版で脚本を担当した長塚圭之氏の影響かもしれないとおもいました。

本来の客席(最前列はF席)のほかに、舞台の上手と下手にそれぞれに10席くらい×2列が作られた三方囲み舞台です。
私はたまたま側面席でしたので、転換や着替えをすべて舞台上でみせる様子や休憩時間のスタッフワークをすぐ目の前で楽しむことができました。

専制的なリアを演じる串田さんがわからずやで愚かであわれで、でも可愛かったです。
今回で4作目となる串田和美+白井 晃プロジェクトのうち私は2007年『ヒステリア』と2009年『ピランデッロのヘンリー四世』を観ていますが、串田さんがますます愛おしくなってくるようにおもいます♪
危険な動きのシーンにはひやりとしてしまいました。
びわ湖ホールでの大千秋楽までどうか怪我のないようにと祈ります。
カーテンコールの演出は王の孤独感を強調するところが『ピランデッロ~』に通じるものがありましたが、今回は救いが加えられました。
人は100%「悪」ということはなく、善人のなかにもまた悪がひそむという白井流解釈(←アフタートークより)がここにもうかがえました。



財団法人松本市教育文化振興財団
まつもと市民芸術館芸術監督 串田和美プロデュース2009
『エドワード・ボンドの「リア」』
2009年11月20日金曜日~12月6日日曜日(全15ステージ)
シアタートラム
※東京公演ののち、まつもと市民芸術館、びわ湖ホールでの公演あり。
公演情報
CoRich情報

演出:白井 晃

全席指定
一般 5,500円
学生・シルバー[65歳以上] 5,000円(ぷれいす・劇場チケットセンターのみ取り扱い/年齢が確認できるものを要提示)
友の会会員割引 5,200円
世田谷区民割引 5,300円

べきら観劇日:
2009年11月22日日曜日14:00~
※終演後、約40分間のアフタートークがありました。

上演時間:2時間40分(10分、5分の休憩2回を含む)

【物販】
プログラム 500円
※10分間の休憩時に、ロビーでホットコーヒー350円、アイスコーヒー350円、黒豆ドーナッツ250円が販売されていました。
(5分間休憩のときは席で「壁」を組み立てるスタッフの技を観察していました。)

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