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舞台『岡田以蔵』

これぞ劇団め組、私が観たかっため組の真骨頂です。
女が入る余地のない、男と男の無垢な結びつきの世界に心酔しました。
岡田以蔵と武市半平太のあいだの絆の強固さが、そのまま新宮乙矢さん(以蔵)と藤原習作さん(武市)というめ組の二大看板俳優の存在の大きさに重なります。
2001年12月初演、2004年3月再演に次ぐ三演目ですが、私は今回が初見です。

昨2008年以来、コメディー路線、女性もの、自衛隊もの、新人登用などさまざまな試みが続きましたが、ようやく「新宮・藤原コンビによるシリアス正調時代劇おとこ芝居」という(私にとっての)本流にもどってくれました。
さまざまな流れがあったからこそ、本流のよさが実感できます。
コメディー要素は消えたわけではなく、高田又四郎役の野村貴浩さんが笑いの主担当として客席を沸かせていました。
坂本龍馬役酒井尊之さんとの掛け合いがとくに面白いです。
(チラシとともに配布された「劇団め組 外部出演情報」によれば、野村さんは2010年2月3日~7日SPIRAL MOON『銀幕心中』「劇」小劇場に客演とのことで、スパイラルのファンとしても嬉しいです。)
また、もともとめ組は女性役を軽んじているということはなく、今回も控えめな存在だからこそかえって鮮やかさが際立ちました。
高橋佐織さん演じる芸者・菊松の、武市への恋ごころがせつないです。
これこそ時代劇の世界にだけ咲く女性美といえましょう。
自己主張の強い奔放な女性はほかでいくらでも観ることができますので、め組世界の女性には控えめで健気な(それでいて芯の強い)人であってほしいというのは勝手すぎる要望でしょうか。
幕末の志士達を演じるベテラン・中堅の男優陣に安心感がありました。

このせまく小さな「劇」小劇場で、息を呑むスピードの剣殺陣が実現したのに驚きました。
客席とは白刃の風圧が感じられそうなほどの近さですので、迫力は満点です。
なかでも新宮さんと藤原さんの一騎打ちが白眉でした。
切先がお互いの頬すれすれをかすめる様にはらはらしてしまいます。
私が初めてめ組と出会った2006年8月公演『ASSASSIN 彰義隊後日譚』以来久しく渇望していたふたりの対決は、素晴らしい緊張感とコンビネーションでした。
女性を排除して強く惹かれあってほしいふたりですが、同時に対決シーンにもときめくという複雑なファン心理なのです。
劇団初のロングラン12日間という公演期間をどうか無事に乗り切ってほしいとおもいます。



劇団め組
『岡田以蔵』
2009年11月4日金曜日~15日日曜日
(全18ステージ+UTBテレビ演劇祭参加DVD撮影のための1ステージ=計19ステージ)
下北沢「劇」小劇場
CoRich情報(「観たい!」が10人!)
※DVD撮影は11月9日月曜日14:00~、それまでに劇場で一口3,000円からのカンパをした人は撮影を見学できます(初日に席置きされたA4サイズ案内によれば70名限定/劇団サイト内にupされた告知動画によれば、70名超の場合は抽選)。

作:合馬百香
演出:与儀英一

全席指定
平日 3,500円
土日 3,800円
※リピーター特典あり。
公演前半期間中(初日11月4日水曜日から同9日月曜日)に観劇した観客が、後半期間(同10日火曜日から千秋楽15日日曜日)に再度観劇すると次回2010年3月公演(タイトル未定)で使える割引券(割引金額:500円)を贈呈。
今回の『岡田以蔵』が劇団初の12日間ロングラン公演となることからの企画。
同一公演期間中のリピーター割引は他劇団でよくみかけますが、次回公演の割引券進呈は珍しいです。
観劇日時と席番を印刷した用紙が席置きされていて、連絡先を記入したうえで2回目観劇時の終演後に受付に提出すると後日割引用シリアルナンバーがメールまたは郵送で送られてくるシステムです。

べきら観劇日:
2009年11月4日水曜日19:00~(初日)
<↓観劇日追記>
2009年11月7日土曜日13:00~
2009年11月9日月曜日14:00~(DVDのための特別版撮影見学レポ
2009年11月15日日曜日17:00~(千秋楽)

上演時間:1時間50分(休憩なし)

【物販】
舞台写真@150円×70種
送料無料
※千秋楽終演後に、合馬百香氏撮影による「舞台写真Part2」がロビーに掲示・予約販売されているのに気づきました。@150円×20種、送料無料。

【当日パンフレット】
A5/4Pカラー
※全12人のキャストのカラー写真とひとことコメントあり。



テアトロ 2009年 06月号 [雑誌]
テアトロ 2009年 06月号 [雑誌]↑前回公演『信長-NOBUNAGA』(2009年7月/吉祥寺シアター)の劇評が掲載されています(P46、47)。



人斬り以蔵 (新潮文庫)
人斬り以蔵 (新潮文庫)

コメント

とてもよかったです。
以蔵と武市の関係は、現代社会においても通じるものです。その意味では、古くて新しいテーマともいえるのではないでしょうか。
主役の以蔵役の新宮さんと武市役の藤原さんのからみは独自の雰囲気をかもし出しており、司馬遼太郎の小説でも醸し出せない魅力を生み出しています。これは劇団め組の最大の特徴であり、岡田以蔵の芝居を見て見たい人にとっては必見の芝居です。
脇役の方々も非常に独自の雰囲気を生み出しています。今回、城太郎さんや野村さんが特にいい味を出しており、芝居をしめております。
決してめ組における女優さんはいらないということではありません。年に2回程度、男優だけの芝居をすると、ハードで独自の雰囲気を醸し出す内容を確立することができるのではないでしょうか。それぞれの男優が男の色気を持っており、男優だけの芝居だからこそその味が出せるのではないかと思います。
今後もめ組には、今回のような芝居を積極的に上演してほしいです。

男の世界

べきらさん、お久しぶりです。同感ですね。やっぱりこういう世界を描いて欲し
かったんですよね。藤原さんと乙矢さんのコンビはこの二人しか出せない世界を
生み出してくれます。殺陣も良かったですね、乙矢さんと城太郎さんの殺陣も
ど迫力で興奮しました。やっぱりめ組はこうでなくちゃね!!
と一人で大満足でした。

>えんちゃんさん
まさに9人の男の色気を満喫した作品でしたね(菊松高橋さんのしっとりした美しさ、白菊松本さんの可愛らしさは無論)。
め組ファンの血が大喜びしているのを私も全身で感じていました。
主役のふたりはもちろんのこと、城太郎さんや野村さん、酒井さん、それに土山さん、菅原さん、丹原さん、三村さんもそれぞれ人物を生き切っていて、ひとりひとりを主役にして作品が1本ずつできそうにおもえました。
とくに暗殺などの複数の剣殺陣シーンは、その場の全員が誰ひとりわずかな部分もくずれることなく指の先まで「参加」していて、この結束力、密度の高さがめ組の殺陣の素晴らしさを可能にしているのだとあらためてかんじました。
『鬼夜叉』(2007年3月)や『戊辰残照』(同年8月)での、新宮さんを中心とした群舞のような殺陣シーンは今も記憶に鮮やかです。
ところが今年2009年3月の『新選組』では若手のなかに「参加」しきれていない人がいて、複数回観劇しても毎回斬られてはける最後の瞬間に力を抜いてしまうのが残念でした。
大勢のなかのたったひとりの、1秒にも満たないその様が完璧に築きあげられた世界をだいなしにしてしまうのです。
ほかのアクション系劇団や商業演劇ではよくあることですので、め組よお前もか、とそのときは正直なところ落胆しました。
しかし『信長-NOBUNAGA』(2009年7月)ではそのようなこともなく、そして今回はふたたび完成度の高さと鉄壁のチームワークに魅了されました。
下は上の意を汲まず、上は下を理解できないのはたしかに今に始まったことではないのでしょうが、それにしてもあまりにもお互いがばらばらになってしまった今の企業社会に生きる者として、め組の団結が発揮する力には感嘆するほかありません。

「男優だけの芝居」、いいですね、ぜひ観たいです!
そして、今も忘れがたい『Warriors』(2008年3月)の高橋さん正室貞の方と八島さん側室卯乃の方の抱腹絶倒コンビ+腰元衆+芸者衆のような「女達の物語」も番外編的に作ってほしいです。
そのときは、男優はひとりかふたりでいいとおもいます。
『LADY 椿 鹿鳴館狂詩曲』(2008年8月)はたしかに女優重視でしたが、同時に中井桜洲を始めとする男達の物語でもありましたので、め組の女優陣の魅力を濃厚に煮詰めた新作もぜひリクエストしたいです。

>フェイフェイさん
ファン歴いまだ3年(やっと3年目に入りました!)の私が申しますのもおこがましいですが、やはりこれこそめ組、といえる感動に胸が躍りました。
藤原さんと乙矢さんの世界は、誰も入ることができない聖域ですね。
城太郎さんの河上彦斎と乙矢さん以蔵が構え合ったときは、おっしゃる通り場の空気が凍結するような凄まじい緊迫感でしたよね。
城太郎さんが持つと、刀が真剣にみえるのが不思議です。
劇団サイト内の動画にある『明治任侠伝』のふたりの一騎打ちをぜひこの眼でみたいです。
ほんとうはほかのメンバー同様の剣殺陣巧者である野村さんが、なかなか刀を納められないコミカルな演技も見応えがありました(再演『鬼夜叉』での野村さんの殺陣はかっこよかったです!)
これからも、この宝もののようなめ組の魅力を大切にしてほしいとおもいます。
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