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舞台『コネマラの骸骨』

暴力とブラックな笑いが満載のマーティン・マクドナー作品です。
作品の核である闇はあくまでも底なしに深いのですが、観終わった後はなぜか重苦しさを引きずることなく、乾いた快感が残るところがこの作家の魅力だとおもいます。

アイルランドの小さな町リーナンを舞台にした「リーナン三部作」の2作目にあたる作品です。
円は今公演で三部作すべての上演を果たしたことになります。
『ロンサム・ウエスト』(2006年10月/ステージ円/シリーズのなかでは3作目)の素晴らしさが今も記憶に鮮やかなので、今作を楽しみにしていました。
なお、1作目の『ビューティークィーン・オブ・リーナン』(2004年11月/シアターΧ)は私は未見です。

交通事故で妻を亡くした男ミックには、ロス疑惑ならぬリーナン疑惑とでもいえる妻殺しの噂がささやかれています。
墓地が手狭になるため、教会と警察の依頼で毎年秋に墓を掘り返す仕事をしているミックは、ついに今年亡き妻の墓を掘り返すことになります。
刺激の強いシーンがありますので誰にでも薦めることはできませんが、その刺激の強さになぜか笑ってしまう、というところがまたこの作家ならではの味わいです。
とんでもないお話ですが、閉鎖的な環境で醸成される心理の棘が解放を求めるという点では、気候も歴史も国民性もすべて異なる遠い異国の日本人にもつながるところがあります。
『ロンサム・ウエスト』の詩情に対して、今作は「謎」性を楽しみました。

いずれ劣らぬ実力派のベテランに囲まれて、円 演劇研究所の戎 哲史さんが健闘しています。
抜擢されるほどの優等生なのですから頭の足りないマーティンをもっとそれらしく演じることはいくらでもできるのでしょうに、つくりこまない(たぶん演出家森氏の指示?)のはかえってつらいのではないかと推測しつつ、そのはずし具合が密室の空気取り入れ口のようでよいとおもいました。
ミック役石住昭彦さんとマーティンの兄トーマス役吉見一豊さんにふたりがかりで翻弄される墓場のシーンは、劇団のベテランと新人の関係が透けてみえて(先輩ふたりが楽しんでいる!)大いに笑えます。
『田中さんの青空』『ぼくらは生まれ変わった木の葉のように』を観て、なにかありそうな怖さと無邪気さが同居しているのが不思議な魅力だとおもった山乃廣美さんのメアリーは、老女のしたたかさやずるさの芯にある毅然としたものに惹かれました。



演劇集団円
『コネマラの骸骨』
2009年10月9日金曜日~21日水曜日(全13ステージ)
ステージ円
公演情報
CoRich情報

作:マーティン・マクドナー
訳:芦沢みどり
演出:森 新太郎

全席指定
一般:4,800円/学生:3,500円
ペアチケット:8,600円(一般二枚ひと組)
※学生券・ペアチケットは円事務所のみで取り扱い。

べきら観劇日:
2009年10月12日月曜日14:00~

上演時間:2時間(休憩なし)

【物販】
未確認

【当日パンフレット】
未確認

【プログラム】
A5/本文8P/一色刷り
[お久しぶりのマクドナー] 森 新太郎
噂話のストーリーテリング 芦沢みどり
マーティン・マクドナー作『コネマラの骸骨』 早稲田大学文化構想学部専任講師 坂内 太
キャスト紹介
キャスト4人の集合写真
※円の会会員に配布されました。

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