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舞台『犬目線/握り締めて』

性癖や性的指向、嫉妬、逃避、執着など、自分の感情を押さえきれない人達が行き交う、古びた公営住宅のエレベーターホールを舞台にした物語です。
老舗新劇劇団の俳優座が、六本木の俳優座劇場のあるビルの5階にある稽古場で上演する「ラボ公演」で、今年2009年から来年にかけて日本の若手劇作家の戯曲を3作品手がけるなかの2作目にあたります(1作目は保井 健作『夏光線』2009年2月、3作目は石井貴久作『ゾンビな夜』2010年2月)。
歴史のある新劇劇団が小劇場演劇の戯曲を上演するのを楽しみに出かけました。

下北沢や王子で観ているリアルの小劇場作品に比べると、俳優の年齢層の厚みや微妙にニュアンスの異なるセリフまわしが新鮮で面白かったです。
たとえば不賛同と不快を表現するときによく耳にする「は~?!なにが?」といういい方は、リアル小劇場では「・hAAA→?!」という咆哮に近いかんじで(私には)聞こえるのですが、あくまで「は+あー?!」ときれいな音になるところに新劇感がありました。
私はtsumazuki no ishiによるオリジナル未見なので比較はできないのですが、雑音を含んだ暴発感というリアル小劇場が持つ魅力に代わる技術力と安定感のうえに、なお作品の毒や先鋭さは伝わったとおもいます。

幼児に性愛を感じる男を演じる渡辺 聡さんと、夫の浮気に悩む心理療法士を演じる森尾 舞さんの、どちらも勝者になり得ないせめぎあいに見応えがありました。
私が俳優座公演を初めて観た『颶風のあと』で、場所も同じこの稽古場で惹かれあう男女を演じていたふたりとは信じられない切迫感です。
美しい「姫」だった森尾さんは、激情、矛盾、身勝手、甘えがごった煮になって煮沸しているような母親が迫力で、作品タイトルに通じるクライマックスでの渡辺さんとの絡みは怖かったです。
女は男のひとを愛し、男のひとに愛されることで生きていくことができるのですけれど、どこかに潜んでいる、男という性に対する憎悪めいたものが刃物のように現れた瞬間でした。



劇団俳優座LABO vol.24
『犬目線/握り締めて』
2009年8月30日日曜日~9月6日日曜日(全9ステージ)
俳優座5階稽古場
公演情報
CoRich情報

作:スエヒロケイスケ
演出:眞鍋卓嗣

全席指定
一般 3,500円
学生 3,000円

べきら観劇日:
2009年9月2日水曜日14:00~

上演時間:3時間10分(15分間の休憩1回を含む)

【物販】
未確認

【当日パンフレット】
A4/4P

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