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舞台『ぼくらは生まれ変わった木の葉のように』

演劇集団円に所属する俳優・演出家達がステージ円で上演する自主企画公演=アンシャンテ公演です。
つい2週間前はチェーホフ『かもめ』レポのロシアの田舎屋敷だった劇場が、今回は現代美術のインスタレーションのように鋭角的でスタイリッシュな空間に変容していました(舞台美術:田原奈穂子)。
公演は終了しています。

なんだか今年はよく円を観ている……数えたら今回で5公演目でした。
2009年
2月『おかしな二人』
5月『初夜と蓮根』
7月『宙(そら)をつかむ』(紀伊國屋ホール)
7月『かもめ』
8月『ぼくらは生まれ変わった木の葉のように』
(『宙(そら)を~』以外はすべてステージ円)
今年はこのあと10月に『コネマラの骸骨』(マクドナーと森 新太郎演出が楽しみ!)、12月に『こどもステージ』がありますので、円の公演活動の積極さと多彩さには驚かされます。
上記のうち『おかしな二人』と『かもめ』は円・演劇研究所の研究生による発表会公演ですのでいわゆる本公演とは趣が異なりますが、私は両作品とも充分楽しみました。
これだけいろいろ観せてくれるのですから、支援組織「円の会」の年会費15,000円(新規・継続とも同額)は良心的だとおもいます。

「堕落した日常性からの脱出」を目標に、貧乏旅行を続けるひと組の男女。
ある日、彼らの乗った車が民家のリビングルームに突っ込んでしまう。
ところが、住人の夫・妻・妹は動揺することなくむしろ彼らふたりを歓待する。
気味が悪くなったふたりは家を出て行こうとするが住人達に巧みにからめとられ、いつのまにか軟禁状態に……

客席に対して大胆に斜めに構えた舞台上には巨大なスクリーンがあり、客入れ時には抽象的映像が、開演中は劇中で語られるシェイクスピアの台詞や民家に突っ込んだ自動車の画像が映し出されます(映像:西野光則(環状線テクノロジー))。
机やソファ、酒を入れてある棚などがよくみるとすべて手前に90°傾いています。
登場人物達はソファの背や棚の前面に腰掛けています。
男女と住人とのずれのようでもあり、俯瞰の視点を持たせることで観客とこの世界をつながらせようとしているようでもあります。
客席と舞台のあいだにできた三角形のなにもない空間に「男」が降りてきたときは、ぱたん、と90°倒された世界から彼だけが飛び出してきたようでした(日常から非日常へ、当時から今へ)。

37年前の1972年(=昭和47年)4月初演の戯曲でありながら、「妹がギターを奏でる」シーンでノートPCからダウンロードした音楽を流したり、ビールが缶のアサヒスーパードライ(原作では「ビールびん」/アサヒスーパードライの発売は1987年=昭和62年/しかも、今売り=2009年8月現在東京都内出回り商品に貼られている直径約2cmの赤丸シールもそのままでした!)になっていたりするところにも、作品世界を現代に連れ出そうとする意図を感じ取りました。

しかし、当時(全共闘、学生運動)の熱狂をリアルで体験していない、その少しあとの「やっと静かになってよかった」という空気のなかで意識が芽生えた私としては、その熱狂への賛同回帰の気運には今しばらく距離を置いていたいというのが正直なところです。

リルケの詩を口ずさむ妹スー役・谷川清美さんの孤独感が素敵でした。
「男」と「住人夫婦(=日常性)+女(いちはやく日常性にとりこまれていく)」のあいだをつなごうとして果たせず消えていくときの眼差しの深さに吸い込まれそうになりました。



演劇集団円 アンシャンテ公演
『ぼくらは生まれ変わった木の葉のように』
2009年8月10日月曜日~16日日曜日(全10ステージ)
ステージ円
公演情報

作:清水邦夫
演出:阿部初美

全席指定
前売 3,000円
当日 3,300円
学生 2,000円

べきら観劇日:
2009年8月13日木曜日14:00~

上演時間:“きっかり”1時間(休憩なし)
※未確認ですが、前説の女性は『おかしな二人』女編レポで婦人警官ミッキー役を演じた千葉三春さんではないかとおもいました。
「上演時間はきっかり1時間です!」という決然とした説明は、さすが特技は少林寺拳法(←『宙(そら)をつかむ』公演パンフレット掲載の新会員紹介より)というだけのことはある凛々しさでした。

【物販】
未確認

【当日パンフレット】
B5/4P



清水邦夫〈1〉署名人/ぼくらは生れ変わった木の葉のように/楽屋 (ハヤカワ演劇文庫)
清水邦夫〈1〉署名人/ぼくらは生れ変わった木の葉のように/楽屋 (ハヤカワ演劇文庫)










<追記 2009-08-29>
日本経済新聞2009年8月29日土曜日付け朝刊
P40 文化
「全共闘見つめる30~40代 閉塞感破る視座求めて」
文化部 中野稔



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