スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

舞台『現代能楽集 鵺』

世阿弥晩年の作といわれる謡曲『鵺(ぬえ)』をもとに、燐光群主宰・坂手洋二氏が時代と国を飛び越えて三部構成で書き下ろした新作です。

冒頭にひと声響いた「鵺の鳴き声」が印象的でした。
「啼くような、すすり泣くような…」(公演プログラムより)でありながら不気味な怪談調ではなく、哀しみを含みつつも、なにか学校の音楽室で素直な生徒が透明な音楽を謡っているような、後ろ向きの怨念を越えた肯定的なかんじを受けました。
加齢を免除された妖精・田中裕子さんが三部を貫いて魅了してくれますが、なかでも第一部の白拍子?の堂々さがよかったです。
赤→白のぼかしの衣裳も伝統と斬新さが共存していて素敵でした(とくに、足袋の色が……なところが)(余談ですが、数年前にきもの雑誌に掲載されているのをみた記憶がある日本舞踊家・吾妻徳穂氏の代表作『赤猪子(あかいこ)』の衣裳を思い出しました)。
坂東三津五郎丈の技能と存在はゆるぎなく、丈なしに第一部は真実にならなかったとおもいます。
田中さんのほかにたかお鷹さん、演出の鵜山 仁さん、加えてシアタートーク司会の堀尾正明さんも文学座出身とのことで、歌舞伎に対抗して始まった新劇の蓄積された力もかんじさせられました。
「文学座、すごいですね~」とシアタートークで無邪気に感心していた村上 淳さんは、源平時代の武者の語りには距離があったぶんを、アジアの若者の軽~い日本語の板に付きぶりで挽回していました。

平安時代→現代日本→アジア某国と流れ着いた鵺の物語の結末には、男も女も人間はみな鵺であることに加え、闘争の加害者だけではなく被害者もまた鵺という怪物の一部であり、まるごとで人間を捉えようとする姿勢に作者の声をかんじました。
まもなく今月2009年7月25日から東京芸術劇場小ホール1で上演される坂手氏作・演出の燐光群公演『現代能楽集 イプセン』がどのような作品なのか、今から楽しみです。



新国立劇場
2008/2009シーズン
『現代能楽集 鵺』
2009年7月2日木曜日~20日月曜日(全20ステージ)
新国立劇場小劇場THE PIT
公演情報
CoRich情報

作:坂手洋二
演出:鵜山 仁

全席指定
A席 5,250円
B席 3,150円
Z席 1,500円
当日学生割引=50%割引(公演当日のみボックスオフィスとチケットぴあ一部店舗にて販売/1人1枚/電話予約不可)

べきら観劇日:
2009年7月15日水曜日14:00~
※終演後に、演出・鵜山仁氏と4人の出演者が参加しての約1時間にわたるシアタートークがありました(司会は元NHKアナウンサー堀尾正明氏)。

上演時間:約2時間5分(休憩なし)

【物販】
プログラム 800円

【当日パンフレット】
未確認

コメント

非公開コメント

プロフィール

べきら

Author:べきら
観劇の記録です。

Twitter

月別アーカイブ

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。