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舞台『ハナウタ日和』

チラシとプログラムに記載の情報によれば、IOH(アイオー)は東京キッドブラザースを退団した俳優達が1992年に設立、全作品を林 邦應氏の作・演出による公演を続け(公演数:341回)、2006年7月に活動を休止していたのが、今公演で復活を果たしたとのことです。
私は東京キッドブラザース、前IOHとも未見ですが、劇団め組の新宮乙矢さんが客演するのをきっかけに『アメノキオク・・・』(2008年版レポ2009年版レポ)で初めて林作品を観劇しました。
今月2009年5月のアタマに『アメノ~』2009年版を上演したばかりの同じシアター711での復活公演です。
今回も新宮さんが客演するとのことでチケットを取りました。
登場人物が(ほぼ)同年代の男女ばかりで構成されていた『アメノ~』に比べ、家族の再生物語である今作は年代の幅が広がり、作品世界に時間の厚みと重みが感じられました。

東京の南の、小田急線沿いにある町で清掃業を営む一家が舞台です。
幕開け数秒後、昭和を濃厚に伝承した手狭な居間のセットに存在する小野剛民さんの「お父さん」によって一挙に物語世界に引き込まれました。
木目印刷のベニヤ内装材、白っぽいアルミサッシ(←昭和!)、茶色く日焼けした畳などニクい考証の美術(美術:福田暢秀)に、俳優がいのちを吹き込む瞬間でした。
膝を寄せ合うように濃密な小劇場空間ならではの贅沢な経験です。

長男、次男、末っ子長女の三人きょうだいと父親が暮らす家に、長女の恋人が挨拶にくることになった日曜日の朝から夕方までの物語です。
テンポのよい笑いあり、涙あり、最後は笑顔の締めくくりになりますが、ひとりひとりが抱えている暗い部分は解決も消去もされたわけではなく、それぞれが重いものを背負ってこれからの人生を歩いていくのだな、という感慨が残ったところが平板なホームドラマではないよさでした。

人気テレビドラマに出演していた水谷百輔さん演じる次男・光雄の若さと機敏さが華やかです。
私はたまたま水谷さんの舞台(『紫式部ものがたり』『MIKOSHI~美しい故郷へ』)を観ていますが、可愛い「弟」の持ち味のなかに鋭さが共存しているのが印象的でした。
今回も光雄の水面下の「特性」にその鋭さが活かされていたとおもいます。
光雄の特性を忘れられない長女・沙紀を演じる清水ゆみさんが実に堂々と沙紀を生きていて、雑誌モデル出身とは知らず、どこの劇団で鍛えた女優さんかとおもってしまいました(足指の特技は絶妙!)。
め組では看板スターとして悲劇の幕末武士や戦国武将をストイックに演じる新宮さんの、これほど脱力した長男・秀雄のほにゃらか♪ぶりやらしどけない姿やらには唖然としながらも大いに楽しませてもらいました。
同じくめ組から客演の野村貴浩さんが、一家を見守る従業員・隆役で手堅く支えていました。



IOHプロデュース 新家族シリーズ第一弾
『ハナウタ日和』
2009年5月27日水曜日~6月7日火日曜日(全16ステージ)
下北沢 シアター711
公演情報→project DREAMER
CoRich情報

作・演出:林 邦應(IOH)

全席指定
前売当日とも4,500円
※受付開始と当日券販売開始は開演の1時間前から、開場は開演の30分前から。

べきら観劇日:
2009年5月27日水曜日19:00~(初日)
<観劇日追記↓>
2009年5月30日土曜日14:00~

上演時間:1時間35分(休憩なし)

【物販】
プログラム 500円
※受付スタッフが声を出してプログラム販売を告知してくれたおかげで買い逃さずにすみました。

【当日パンフレット】
A5/2P
※『アメノ~』では確認できなかった当日パンフレットが今回は入手できて嬉しかったです。
公演チラシを配布してくれたのもよかったです。
チラシと当日パンフレットは「名刺」=その公演の顔のように大切なものだと紙資料好きな私はおもっています。
ただ、このような記録物に価値を見出すかどうかは人それぞれですので、終演後に座席の下に取り残されたチラシ束をみると、新たにオープンした座・高円寺のようなチラシ・当日パンフレットとも「ほしい人だけご自由にどうぞ」方式(『化粧 二幕』)も資源節約の観点からやむを得ないのかもしれないとおもいます。



ネタバレあり



家路~Goin’Home~










沙紀のなかに、次兄から受けた暴力への恐怖はこれからも消えないのではないかとおもいます。
身近な(=信じていた)男性に振るわれる暴力は、女にとって心底ほんとうに怖いものですから――況や見知らぬ異性の場合は、言葉にすらなりません――。
学生結婚歴のある真二を受け入れたのも、彼が前妻に殴られても殴り返さない人だったからなのでしょう。
父・武雄は、失踪した妻を愛し続けながらもつきあっている女性がいます。
愛着あるハナウタを教えるほど心を許した電話の向こうの女性の気持ちはどうなるのでしょうか。
家にもどった母・雪子はそのことをどう受けとめるのでしょう(自分自身の過去を照らし合わせて)……
成績優秀で美男、一流私大卒の長男・秀雄の年齢と彼女いない歴が同一という不自然さは、遺伝の可能性がある持病ゆえの彼の自制?……
隆の沙紀へのおもいのその底には、もしかしたら「雪子ねえさん」への思慕があったのでは……
いろいろな推測が浮かびます。

下手の事務所スペースにあるホワイトボードに書き込まれた仕事先のいくつかが下北沢の劇場名になっているのが笑えました。

コメント

お久しぶりです。このお芝居楽しかったです。家族だからこそ努力が必要なことも
あるのかなと思いまました。乙矢さんのパジャマ姿かわいらしかったですね。
水谷百輔さんは今週の『ママはニューハーフ』にゲスト出演してます。(このドラマ大好きなのです)
良かったらご覧下さいね。
気候が不安定ですのでどうぞお体に気をつけて下さいませ。

>フェイフェイさん
あの鬼夜叉さまが……修理(しゅり)さまが……なんとあられもないパジャマ姿とは!
乙矢さんのキュートさと色っぽさに胸が高鳴ってしまいました(笑)
野村さんのスーツ姿もよかったですね。
『ママは~』、水谷さんのイケメン保育士「秀直」かっこよかったです♪
エプロン姿に「光雄兄ちゃん」を思い出してしまいました。
金子さん演じるルナの美しさが驚異的なことに加えて、秀直に想いを寄せる「翼」役永田良輔さんの一途さがせつないです(スリムなドレスが映える細身も素敵!)。

乙矢さんは9月に朗読劇への客演もありますね。
今月6月から来月7月にかけては同じくめ組の藤原習作さんの客演『絆・KIZUNA』も楽しみです。
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