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舞台『さとがえり』

女優としての外部出演だけでなく、脚本家、演出家としても劇団外で活躍する桑原裕子さんの処女作品の再演です(2001年初演時のタイトルは『とまと2001』)。
親子きょうだいや夫婦、親戚、恋人、友達同士などさまざまな人間関係がテンポのよい笑いで混ぜ合わされながら並走していくなかに、なにか不可思議で理解を超えたものが共存しているという現KAKUTAワールドの最初の「芽」な作品を楽しみました。
『帰れない夜』とともにこちらも公演は終了しています。

父が亡くなってから若返り始め、今や成人した娘達を通り越して少女のようになってしまった母、ただし人格と声は中年のまま、という役どころを繊細な外見に似合わず驚くほど力強い演技をみせる大枝佳織さんが好演していました。
現象の仕組みはあきらかにはされませんが、母の嘆きと父への愛がそれほどに強いものだということ、気味悪がる周囲(登場しない親戚の人達など)をおいて、子ども達だけは母を受け入れようとすることが感じられてあたたかいものが気持ちに残りました。
鈴のような声にもどった若い日の回想シーンでの、内田健介さん演じる夫とペア(?)の白いテニスウェア姿の大枝さんがまぶしかったです。
夫婦のほかに身内と他人あわせて10人が民宿の一室に入れ替わり立ち代り登場して個性を披露し、飽きさせません。
なかでも桑原さん演じる次女・晶(あきら)が登場すると、太陽が昇って気温が一挙に上昇したようなエネルギー感と迫力がありました。
末っ子でひとり息子の弟のいじめ方など、みていて小気味よいほどの横暴ぶり(笑)です。
当日パンフレットによれば公演準備中に桑原さん自身にとても悲しいことがあったとのことで、「悲しみをしまい込む」ことによって自分がこわれてしまうのを防衛する心のはたらきというのが、母を変容させたのかもしれないとおもいました。
そうおもうと、少女の顔であっけからんとしている母・みずえがいっそう哀れに感じられます。
また、↑晶の暴走の裏の、3人きょうだいのなかでいちばんのお母さん子だったゆえの母の変調への困惑、母を想う気持ちの表現も胸に迫りました。

KAKUTAは開演前の舞台上の演出が楽しみで、なかでも「携帯電話、時計のアラームは電源からお切りください云々」という定型の注意喚起が、物売りの声だったりテレビに映っているニュースキャスターがしゃべったりと毎回工夫がこらされています。
先に観た『帰れない夜』では、数人の男女が舞台上で黙って読書を続け、そのなかのひとり(原扶貴子さん)が朗読スタイルで注意を読み上げたのでした。
今回は「オカルト研究会」のメンバーである女子大生がラジカセのスイッチを入れると、成清正紀さんの声が「怖いおはなし語り」で口上を述べたのに笑えました(成清さんは劇中も「声の出演」)。



KAKUTA
KAKUTA蔵出し公演 桑原裕子処女作品~「とまと2001」改め
『さとがえり』
2009年4月3日土曜日~12日日曜日(全7ステージ)
ザ・スズナリ
※『帰れない夜』との2作品同時上演
公演情報
CoRich情報

脚本・構成・演出:桑原裕子

日時指定全席自由(整理番号付き)
前売 3,200円
当日 3,500円
サービス公演 2,800円(前売・当日とも)
※二作品同時購入の場合400円割引 (KAKUTAのみ取り扱い)。

べきら観劇日:
2009年4月7日火曜日14:00~

上演時間:1時間半(休憩なし)

【物販】
過去公演DVD

【当日パンフレット】
B5/4P

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