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舞台『メガネに騙された』

座席数90の小さな劇場に、さまざまな人間の生き方がぎゅっと濃縮された見応えある作品でした。
都会を捨てて農業に生きようとする人達も、その都会人を受け入れる農村の人達も、きれいごとではないもろもろの想いやエゴを胸にかかえていて、何気ない会話のなかにその本音が浮き沈みするのが面白かったりちくりと刺さる痛みを感じたりしました。
100パーセントの被害者も100パーセントの加害者もいなく、誰もが大なり小なり「かわっているところ」を持っているのもよかったです。
登場人物達を醒めた眼でを見通したうえで、作家が全員を受け入れようとしているのを感じました。
もっともおそろしかったのは、姿をみせない「石を投げる人々」でした。

主宰にして脚本・演出の古川貴義氏による軟体調な前説に気持ちがゆるんだ直後、一転して鋭さのある音楽とともにスペクタクルに舞台が「拡張」する幕開けに度肝を抜かれました。
天井の低いこんな小さなスペースでまさかのダイナミックさに感服しました。
そしてその驚きの幕開けののち、浴衣姿の古川氏がすばやく出入り口脇に移動して上演のあいだずっと客席内にとどまっているのがたまたま見える席だったのは観客として安心でした。
小規模な劇場は、万一の体調不良のとき非常に退出しづらいのと、空調が暑すぎたり寒すぎたりするのではという不安を常に抱えながらの観劇になるのですが、主催者側の人が会場内にいてくれるのがわかると(主宰様が最良)、それだけで精神的に救われるのです。

柿喰う客の玉置玲央さんの客演目当てにチケットを取りました。
玉置さん十八番のアクションはありませんでしたが、都会で夢破れたのち地元の農協職員として偽装などの現実に手を染めざるを得ない青年の冷えた心が伝わりました。
玉置さんが立ち上げたプロデュースユニット・カスガイの第一回公演『リビング』が今から楽しみです。



箱庭円舞曲
第十二楽章
『メガネに騙された~Your faiths are double-crossed by The glasses.~』
2009年2月18日水曜日~3月1日日曜日(全19ステージ)
OFF・OFFシアター
CoRich情報

脚本・演出・前説:古川貴義

日時指定・全席自由
前売2,500円
当日2,800円
※初回割引、平日昼公演割引 前売2,200円 /当日2,500円

べきら観劇日:
2009年2月27日金曜日14:30~

上演時間:2時間強(休憩なし)

【物販】
過去公演DVD

【当日パンフレット】
B5/4P



ネタバレあり


刺さった言葉(正確ではありません)

・「法に触れるとか触れないとかではなく、そのおもいつき自体が詐欺だ」
安物の鍋を言葉巧みに高額で売りつけようとする営業男。
村社会で孤立している淋しさのため、安物と承知のうえで買おうとする女。
女の兄に非難された営業男は、法律に違反していないのだから詐欺ではないと主張する。
その主張に対して兄が一喝する言葉。

・「なんにもしないくせに文句ばっかりいう奴ら」
同じく兄の言葉。
自ら耕すことをしない都会の消費者への本音。

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