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舞台『ウルリーケ メアリー スチュアート』

1970年ミュンヘンオリンピックのテロ事件の引き金となったドイツ赤軍の女性闘志ふたりの対立を、シラー作の悲劇『メアリー・スチュアート』に描かれたスコットランド女王メアリー・スチュアートとイギリス女王エリザベス一世の関係に重ねることで「革命」「民衆」「死」を描いた作品です。
日本初演にあたって川村 毅台本は日本の連合赤軍のイメージを加え、難解な作品世界を身近に引き寄せました。
演劇情報サイト・ステージウェブの川村毅が語るTPTベニサン・ピット最終公演『ウルリーケ メアリー スチュアート』によれば、今作がベニサン・ピット最終公演になったのは偶然との川村氏のコメントでしたが、この劇場に強い愛着のある私としては(過去記事)クライマックスの演出に「劇場の死」をみるおもいがして感無量でした。
どうしてもはずせない用のために1月10日の千秋楽を観られないのが痛恨です。

かつて闘争に加わり、沈静化のあとも生き残った男達の言葉が空らつに響くのに対して、ウルリーケ・マインホーフとグードルン・エンスリーンのふたりの女性闘士の言葉は力強く、心の底からの激情が吐き出されます。
ウルリーケ役濱 茜さんとグードルン役大沼百合子さんの「一騎打ち」が圧巻の魅力です。
グードルンの長大なモノローグでの大沼さんの言葉のひとつひとつが闘争の虚しさ、理想の敗北、歴史の流れのなかの個の非力、民衆の怪物性を伝えて襟首をつかまれるようでした。

ワークショップオーディションで選ばれた若いキャストにとって、この公演に参加したことは素晴らしい財産になるとおもいます。
私が知っているキャストとしては、劇団Studio Lifeの神野明人さんの名前がありました。
オール男優で耽美な世界を描く本家とはまったく異なるこのような先鋭的作品に参加することで、大きな栄養を吸収したこととおもいます。



シアタープロジェクト東京
TPT70
『ウルリーケ メアリー スチュアート』
2008年12月28日日曜日~2009年1月10日土曜日(全12ステージ)
ベニサン・ピット

作:エルフリーデ・イェリネク
訳:山本裕子
台本/演出:川村 毅

全席指定6,000円
学生3,000円(TPT取扱)

べきら観劇日:
2008年12月30日火曜日14:00~(手塚とおるさん)
2009年1月7日水曜日14:00~(小林勝也さん)
※手塚とおるさんと小林勝也さんはダブルキャスト

上演時間:1時間40分(休憩なし)

【物販】
・プログラム1,000円
↑※前説の「作者からのメッセージ」の一部訳が掲載されています。
・過去公演プログラム@100円(台本掲載の場合は500円)

【当日パンフレット】
未確認



ネタバレありレポ


カーテンコール後の情景です。
観劇1回目は気付かなかったのですが、観劇2回目に席でアンケートを書いているうちにほとんどの観客が退場してしまい、急いで出ようとして「音」に気付きました。
ベニサン・ピットの特徴である中央の柱のあたりで、それはまだ続いていたのです。
ラストに登場した「あれ」――昭和を回顧するドキュメンタリー番組で何度もみたことがあります――によって打ちのめされた劇場の、嘆きの産物のようでした。

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