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舞台『日陰者に照る月』

老舗の新劇劇団である文学座が、本公演よりも小さな規模で前衛的な作品を上演する「アトリエの会」です。
原題は“A MOON FOR THE MISBEGOTTEN”、ユージン・オニールが自分の兄をモデルにした戯曲です。
公演はすでに終了しました。
自分の過去の行動がトラウマとなってアルコールに逃避し、死と狂気に向かって歩みつつある男性が、自分に好意を寄せる女性のおおらかであたたかい心に抱かれて「赦し」を得る物語です。
主要なキャストの年齢が高く、若い人達による小劇場演劇を見慣れた眼には安定感と重厚感が印象的な舞台世界でした。
アフタートークでの演出・西川信廣氏の発言によれば、難解な海外作品なので観客に受け入れられるかどうかの不安もあったそうですが、70年の伝統と層の厚い俳優陣を持つ文学座だからこそ取り組むべきとの意義を感じたとのことです。
たしかに、若い勢いを追う楽しさとは別種の、じっくり作品世界に浸りこんで自分なりにこれまでの人生で積み上げてきた経験と感情を呼び出して当てはめながらの、内省作業を並行的におこないながら観劇することができました。
とはいえ難解だったことも事実で、約1時間に及ぶ贅沢なアフタートーク――演出・西川氏、翻訳・酒井洋子氏、全5名のキャストが参加――がなければ、理解力の浅い私は謎をたくさん抱えたまま劇場をあとにしなければならなかったことでしょう(たとえば、日陰者=MISBEGOTTENとは誰のことなのか、など)。
とくに酒井氏の解説は雲が取り払われるようでたいへんありがたかったです。
(きびきびとした雰囲気とシンプルなファッションがとても素敵な女性でした。)

2008年アトリエの会・アメリカ翻訳劇シリーズ三部作は今作品で完了です。
1年間に及んだ稽古場工事が終了して、来2009年は本拠地・信濃町のアトリエにもどっての公演になるのが楽しみです。
「後説」で劇団スタッフの男性が、吉祥寺シアターで初めて文学座アトリエの会をご覧になった方も来年はぜひ信濃町にお越しください、と挨拶したのがよかったです。



文学座/財団法人武蔵野文化事業団
文学座 12月 アトリエの会
『日陰者に照る月』
2008年12月11日木曜日~22日月曜日(全16ステージ)
吉祥寺シアター

作:ユージン・オニール
訳:酒井洋子
演出:西川信廣

全席指定
前売・電話予約4,000円
当日4,300円
ユースチケット2,500円(文学座のみ取扱い/25歳以下/観劇当日、年齢を証明するものを持参)
アルテ友の会会員3,600円(武蔵野文化事業団のみ取扱い/前売のみ)

べきら観劇日:
2008年12月18日木曜日14:00~(アフタートークあり)

上演時間:2時間25分(15分間の休憩1回を含む)

【物販】
・『文学座通信』2008年12月(Vol.592)100円
※実質的な公演プログラムになっています。
酒井洋子「冷たい月と地熱の愛と」、西川信廣「テキストレンジと言葉の力」掲載
・早川書房『ニール・サイモン戯曲集Ⅵ』(定価2,730円)

【当日パンフレット】
未確認

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