スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

野田秀樹氏のロンドン進出――『日経マガジン』2006年8月号

自分の劇団を作って、自分が観たいとおもう芝居を上演し、それが大勢の人にも受け入れてもらえたらどんなに素敵だろう――演劇が好きな人だったらきっと夢に見ることだろうとおもいます。

チケットが完売するような人気を得、やがて劇団が解散しても独り立ちした演劇人として業界での地位を築きあげる――ふつうここまでいけば、夢物語としては完結するでしょう。

ところが、そんな夢を実現させておきながら、異国の地でもう一度新人として出発し始めてしまった演劇人がいることには、ほんとうに驚くほかありません。

小劇場演劇というものが今のように一般的になるはるか以前、今から30年前の1976年、東京大学演劇研究会を母体として結成された劇団夢の遊眠社とその主宰である野田秀樹氏の存在は、一種の社会的ブームになるほどの絶大な人気を博しました。

べきら自身でいえば、映画や演劇にうっすらとした興味を抱き始めた学生時代に、すでに野田氏の名前は有名人として確立されていた記憶があります。

しかし、プロ人気劇団としての地位を築いたにもかかわらず、1992年に野田氏は劇団を解散、ロンドンに1年間留学します。

帰国後は企画・製作会社NODA・MAPを設立、脚本家・演出家として次々に話題作を上演し、数多くの演劇賞を受賞して安定した地位と名声を得たとおもったら、今度はロンドン進出という挑戦を始めてしまったのです。

日本で成功したものを持っていく「海外公演」ではなく、英語で台本を書き、現地の俳優を採用し、通訳なしで演出する、文字通りのゼロからのスタートというところがすごいです。


今年2006年6月、ロンドンに散在する小劇場のひとつであるソーホー劇場で野田氏の作・演出による『The Bee(蜂)』が上演されました。

取材記者はプレビュー初日に実際に観劇し、野田氏へのインタビューを通じて、3年前にロンドンの別の劇場で上演して酷評された『RED DEMON(赤鬼)』のこと、その後の3年間をかけた『The Bee』上演までのいきさつをレポし、言語やシステムの違い、自身の視覚の障害といった過酷な条件を逃げずに乗り越えようとする氏の志の根源に迫ります。

日本にいればスター演劇人でいられるのに、そうまでして、なぜ――

赤字覚悟で演劇の本場に食い込もうとする挑戦者の答えは、

――因幡の白ウサギですよ。
肌がヒリヒリする感じ。
これがないと、いいものはつくれない。
……<略>……
ロンドンにくると、二十代のはじめ、自分の原点に戻れるんです――


記事によれば『The Bee(蜂)』は好評を得、3年前とはうってかわった賛辞が新聞紙面を飾ったとのことです。

べきらは実はまだ野田氏の芝居を観劇したことがありません。

パイオニアとしての名声があまりにも固定した存在だったので、かえって敬遠していたきらいがあります。

評判だった『贋作・罪と罰』も『赤鬼』も、なにということもないのに見逃しているのです。

でも、次回作『ロープ』はぜひ観たいとおもっています――宮沢りえさん、藤原竜也さんという超豪華キャスト(野田さん自身も出演)なので、チケット入手がかなりたいへんになりそうですけれど――。



日本経済新聞第2部
『THE NIKKEI MAGAZINE』
2006年8月号

2006年8月20日(日)発行
第21号
全30P
発行:日本経済新聞社
毎月第3日曜発行

P13-15
NODA in LONDON
「西洋優位」との真剣勝負


楽屋で台本を読む、赤い畳の舞台セット上で準備運動をする、パブで主演女優と演技確認の打ち合わせをする、などの野田氏のカラー写真7枚掲載、表紙もソーホー地区の街中に佇む野田氏(カラー)です。



『日経マガジン』は毎月第3日曜日、首都圏の日本経済新聞定期購読者を対象に、新聞とともに配達される雑誌スタイルの情報媒体です。

大きさは縦35cm×横26cmのB4変形サイズで、雑誌としてはかなり大きいです。

写真がとても綺麗なのとセンスがよいのとで毎月楽しみにしているのですが、ほかの雑誌といっしょに棚に立てて保存するには高さがありすぎるし、かといって二つ折りにするにはしのびないという、やや扱いに困るところが難点です。

なお、『日経マガジン』の内容は、ポータルサイトgoo(NTTレゾナント運営)と日本経済新聞社が共同で運営するビジネス情報サイト『NIKKEI goo』で入手することができます(会員登録の必要あり)。

見出し無料、本文157円/件

ただし、画像は収録されていません。

・『NIKKEI goo』:
http://nikkei.goo.ne.jp/nkg/nkg_top.jsp

日経四紙検索:
http://nikkei.goo.ne.jp/nkg/fnews_detail_top.jsp

・参考(2006年7月号情報):
http://www.nikkei-sendai.com/magazine.php?month=7

・NODA MAP公式サイト:
http://www.nodamap.com/
※トップページに第12回公演『ロープ』の告知があります。

・NODA MAP第12回公演『ロープ』情報(同公演チラシより):
2006年12月5日(火)~2007年1月31日(水)
Bunkamuraシアターコクーン
[作・演出] 野田秀樹
[出演] 宮沢りえ 藤原竜也 渡辺えり子 宇梶剛士 野田秀樹
[料金(全席指定・税込)]S席9,500円 A席7,500円 コクーンシート5,500円
一般前売開始 2006年10月21日(土)



↑『The Bee(蜂)』の原作である『毟(むし)りあい』が収録されている筒井康隆の短編集。



コメント

非公開コメント

プロフィール

べきら

Author:べきら
観劇の記録です。

Twitter

月別アーカイブ

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。