スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

舞台『hg』

hgとは、水俣病の原因である水銀の化学記号「Hg」のことです。

水俣病公式発見の年である1959年秋のチッソ水俣工場での「ある1時間」と、2008年春の胎児性水俣病患者の方々が通う作業所での「ある1時間」が2話構成で演じられました。

綿密な取材がうかがえる第1話は迫力と緊迫感に満ちていました。

とくに、チッソ水俣工場工場長役の篠塚祥司さんは地元経済を支える大工場の責任者としての自負が全身からあふれていて、それ自体は罪ではなかった昭和の日本の発展のエネルギー源である企業人の会社への忠誠心を迫真の重厚感で体現していました。

水俣に実存する作業所「ほっとはうす」をモデルにした第2話(劇中での名称は「みかんのいえ」)は、作業所の責任者と東京から来た取材者とのやりとり部分を除いては、1話とは対照的な和やかさで描かれます。

淡々と静かな結末は現在進行形である現実への作家の誠実さの表れと受け止めましたが、むしろ第1話から第2話への「つながり方」に作家の主張と今作品の醍醐味があると感じました。

休憩をはさむことなく、セットもそのままに第2話の人物達が舞台上に登場したとき、第1話での感動が大きかっただけそれと同じ大きさの衝撃を受け、戦慄しました。

当日パンフレットに掲載された作家・詩森ろば氏(演出、衣裳、宣伝美術も)の「豊かき地を臨む」のなかにある、
明日殺されるかもしれないわたしは、明日殺すわたしかもしれない
とはまさにこのことだったのです。

水俣を扱った優れたドキュメンタリーはたくさんあるのに、なぜあえて「演劇」にしなければならないのか――劇中で投げかけられる疑問に対して、無名のいち観客のなかに刻まれ残ってゆくこのときの戦慄の跡を答えのひとつとして捧げたいとおもいます。



風琴工房 code.25
『hg』
2008年5月9日金曜日~18日日曜日(全13ステージ)
下北沢 ザ・スズナリ

公演特設サイト

作/演出:詩森ろば

全席指定
前売3,200円 
当日3,500円
大学生2,200円
高校生以下1,500円
障碍1,500円
ペア券5,800円 トリプル券8,400円
※私は前売チケットを劇団サイトに申し込みました。郵送されたチケットに名刺大の「ノベルティ引換券」がクリップ留めされていて、観劇当日受付にクリップ留め状態のまま提出したところ、愛らしい押し花がラミネートされたしおりをいただきました。一点もののようで、異なる数枚のなかから「お好きなのをどうぞ」と選ばせてくれました。詩森さんのブログLIVESTOCK DAYSにも紹介されている、水俣の野山で採れた草花を「ほっとはうす」で患者や支援者の方々がひとつひとつ作ったものとおもわれます。「湘」の落款が押印されていました。↓上演台本の表紙と同じく、このしおりを見るたびに、佐藤 誓さん演じる胎児性水俣病患者・吉倉正一を中心にしたあの結末の貴い光景をおもいます。

べきら観劇日:
2008年5月14日水曜日夜の部

上演時間:2時間(休憩なし)

【物販】
上演台本(押し花表紙付き)1,200円
水俣「ほっとはうす」で作られたポプリと絵葉書のセット350円
水俣病関連書籍
プログラム販売なし

【当日パンフレット】
A4/4Pモノクロ一色
キャスト表
スタッフ表
詩森ろば「豊かき地を臨む」
風琴工房次回本公演『機械と音楽』告知
「hg」出演者の今後の出演予定
ロビー物販のお知らせ
つたえてプロジェクト(「つたえてカード」「つながるクーポン」)
※受付で渡される名刺大の「つたえてカード」をこの作品のことを伝えたい誰かに渡し、その人が観劇時に同カードを受付で提示すると300円のキャッシュバックが受けられます(本人のリピート観劇にも適用可)。チケット本体、↑ノベルティ引換券と同様この「つたえてカード」にも↑公演特設サイトトップページにあるような猫をデザイン化したイラスト――水俣病公式発見のきっかけとなった「400号」を象徴していると推測します――が印刷されているのですが、よくみるとこのカードの猫の耳には電話があてがわれているのです。50年後の今も、400号は真実を人々に伝える役を果たしてくれているようにみえます。
「つながるクーポン」については後述↓(More...をクリックしてください)。

・田口ランディ氏による感想
田口ランディ公式ブログ: 「hg」風琴工房 を観る
http://runday.exblog.jp/8857364/


観劇した人が自分のブログに感想をupし、そのことを劇団に通知すると次回公演のクーポンがもらえるのが「つながるクーポン」です(MIXI日記可/ほめていなくても可)。
具体的には、ブログに感想をupしたうえでそのアドレス(記事URL?)を劇団指定のメールアドレスに連絡するか、または劇団指定のアドレスにメール投稿すると、折り返し劇団からメールで次回公演のメールクーポンが届くとのことです。
5月17日(=千秋楽前日)までの投稿は500円の優待、それ以降は200円の優待と公演期間中の投稿が優遇されています。
また、投稿者のなかから1名が次回公演に招待されるとのことです。

個人ブログの影響力はいまやあなどれないものがありますから、これはとてもいい着眼だとおもいます。
具体的な金額を設定して投稿意欲を喚起しているところが明解ですし、とくに、集客に結びつく公演期間中の優遇はきめこまかさがうかがえます。
では、このべきらふぁいるもさっそく?……せっかくなのですが、私は参加していません。
心弱い人間である私は、報酬がいただけるとなるとつい筆が迷走して「追従」を書いてしまいそうなのがこわいのです(笑)
風琴工房の次回公演は必ず見に行くつもりです。

コメント

非公開コメント

プロフィール

べきら

Author:べきら
観劇の記録です。

Twitter

月別アーカイブ

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。