スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

舞台『Warriors~デンジャラスな侠達』千秋楽

ネタバレありアドリブレポを追記しました(↓More…をクリックしてください)


主役・蒲生哲之進(がもう・てつのしん)役の藤原習作さんが初日舞台挨拶(べきらによるレポ→)で予言した通り、劇団め組3月公演『Warriors』(公演情報)千秋楽の東京は、満開の桜となりました(2008年3月30日日曜日)。

この日はお昼過ぎからあいにくの雨模様となりましたが、春の嵐とまではならず、東京芸術劇場に隣接する池袋西口公園の桜も、広げた枝いっぱいにあふれるほどの花を咲かせてくれていました。

一昨年2006年8月公演『ASSASSIN(アサシン)彰義隊後日譚』(公演情報)で私が最初にめ組と出会って以来これで6公演を観劇したなかで、初めて観るコメディー路線の作品でした。

初日から通算5回目の観劇となった大千秋楽(17:00開演)は、特に今回大抜擢だった若手の俳優さん達の感情が一段と入り込み、それを受けてベテランの気持ちも高まるという、たいへん見ごたえのある回となりました。

この1年半のあいだに私が観た範囲では初日から楽まで一貫してきっちりと構築された舞台を見せていため組も(←この生真面目さが好きですし、それでも結果的に毎回異なる味わいになるのが舞台の面白さだとおもうのですが)、今回はコメディー路線だからなのか最終ステージゆえの遊びやアドリブなどがあったのは珍しかったです。



千秋楽のカーテンコールでは慣例通り客席のファンからお目当ての俳優さん達に花束が贈呈され、外の桜にも負けない華やかな雰囲気での舞台挨拶となりました。

初日同様全28名の出演者が3列に並び、最前列下手の島崎志津摩(しまざき・しづま)役野村貴浩さんがMCの口火を切ります。

今公演の野村さんは藤原さん同様「笑い」担当でしたが、1年前の3月公演『鬼夜叉』(2007年3月/吉祥寺シアター/公演情報)での野村さんの剣殺陣――とくに、刀が自らの意志で鞘に吸い込まれていくような鮮やかな納刀――に瞠目させられた私としては、それ以来野村さんの殺陣に遭遇できないのを残念におもっていました。今舞台では、一度だけ島崎様が剣を抜くシーンを見られたのが幸いでした。

野村さんの紹介で、最前列センターの藤原さんが贈られた花束を胸に劇団を代表して挨拶します(いつものように私の記憶ですので、正確な再現ではありません)↓



藤原習作さん舞台挨拶:
満開の桜とともに、劇団め組『Warriors』、千秋楽を迎えることができました。
これもひとえに本日お越しくださいました皆様方と、公演期間中に劇場においでくださいましたお客様方のおかげと、劇団員一同感謝しております。
ありがとうございました。
今回はコメディータッチの強い作品ということで、稽古場の雰囲気もふだんとは違っていました。
とくに、女優というよりはコメディアンと化した高橋さんがたいへん盛り上げてくれまして、
――
(下手側の小倉藩主小笠原忠幹公の正室・貞(てい)役高橋佐織さんが控えめにお辞儀をすると、会場から拍手と笑いが沸きあがりました)
楽しい稽古場でした。
劇団め組、これからもシリアスからコメディーまで、
――
(と、“コメディー”のところで高橋さんを手で示すと、お方様高橋さんが「え?私?」という表情で振り返って再び会場の笑いを誘いました)
邁進してまいりますのでどうぞよろしくお願いいたします。


武士役の衣装は一般的に地味な色彩になりますが、哲之進の金茶色の袴はいわゆる「地味派手」といえる渋いながらも華やぎのある洒落たもので、光の角度によって表情を変える光沢が素敵でした。うすいグレー(?)の着物+羽織との組み合わせが品を失わない明るさで、哲之進のキャラクターと藤原さんの笑顔によく似合っていたとおもいます。

このあと客演の告知が2件あり、野村さんが「劇団め組、これからもビシビシまいります!」と締めたあと出演者全員が「ありがとうございました!」と唱和して舞台挨拶が終了しました。



客演情報:
酒井尊之さん、土山壮也さん
英彦山(ひこさん)修験者・中小路有允(なかこうじ・ゆういん)役の酒井さんが、山伏姿の懐からチラシを取り出して訥々と情報を読み上げました。「慣れない告知ですみません」という野村さんのフォローが微笑ましかったです。
劇団Bon Voyage!『Bon Voyage!』
2008年6月12日木曜日~15日日曜日
シアター風姿花伝(劇場サイト
劇団サイト

八島未来さん
美しく賢明な側室・卯乃(うの)を演じた八島さんは2列目だったため、告知をする姿が私の席(中央ブロック3~4列目)からはよく見えなかったのが残念でした(あの涼やかな声ははっきりとよく聞こえました)。センターの藤原さんが身体を横にして最前列のお客さんに「見えますか?」というサインを送る気配りを見せていました。
國辱.com『jamais vu』
2008年6月10日火曜日
吉祥寺シアター(劇場サイト
公演情報



べきらふぁいる:
・ 舞台『Warriors~デンジャラスな侠達』(含・初日舞台挨拶レポ)→
・劇団め組『Warriors』、雑誌『カンフェティ』表紙に登場→


<追記>2008-04-04
ネタバレありアドリブレポ


今回の『Warriors』より前に私が観ため組公演はすべて悲劇でしたが、それでも、よくよく思い起こせば笑いやアドリブ、遊びは皆無ではありませんでした。

宿命を背負った能役者とその庇護者である将軍の悲しすぎる恋の末路が涙を誘った『鬼夜叉』(公演情報)での「笑い担当」は藤原さん演じる「源氏の殿」(藤原さんは将軍とのふた役)、「上皇母」の丹原新浩さん――終演後に当日パンフレットで確認するまで私は丹原さんを女優さんだとおもっていました!――、それに高橋さん+惜しくも退団(?)された平沢昭乃さんコンビによる「家臣甲+家臣乙」でした――おもえば、高橋さんのコメディエンヌとしての才はこのときすでに開花しつつあったのですね。
内容ははっきり覚えていないのですが、落雷のあとで甲と乙が上手に退場するときに交わす会話が毎回(全7ステージ中3回観劇)異なる面白い内容になっていました(なぞなぞ?)。
流罪になった鬼夜叉に懸想して通いつめたあげくにようやく逢えることになった源氏の殿がそのあたりを飛び回って嬉しがるシーンで、千秋楽の藤原さんが一段とヒートアップしてさながらねぶた祭のハネト状態で跳ね回るのを見た平沢さんが「すごい興奮……」と呆れてみせてくれたのも楽しい思い出です。

幕末史上名高い会津藩の数奇な運命を描いた『戊辰残照』(公演情報)での貴重な笑いのシーンである慶応4年正月大阪城での「襖ごし聞き耳シーン」――萱野権兵衛、梶原平馬などの会津藩家老や藩士達が皆で襖に張り付いて室内の将軍・徳川慶喜と藩主・松平容保公との会談の内容を窺っている――では、武闘派・佐川官兵衛役の渡辺城太郎さんが、柔和な秋月悌次郎役・菅原貴志さんの頭を後ろからパコン!と1回ひっぱたくところを、千秋楽ではさらにパコン!パコン!と3回くらい続けざまにひっぱたいていました。
「やられキャラ」が天性お似合いの菅原さんがその都度無言で振り返りながら(“盗み聞き”中なので声を出せない)、殴られた頭を押さえて泣きそうな顔をするのが可笑しくて可笑しくて……佐川と秋月の位置は紀伊国屋サザンシアターの舞台の上手の端のほうだったので、その近辺の前方席の観客(含・私)に重点的にウケていました。

今回の『Warriors』で最大クラスに驚かされたのもこの「ひっぱたくアドリブ」で、千秋楽の新宮乙之介様(新宮乙矢さん)によるものでした。
足軽・屯田林九助役の丹原さんのことは初日からぱこぱこと調子よく叩き続けていた乙之介様でしたが、その新宮さんが唐丸籠の小さな「のぞき窓」から亀のように頭だけ出して意味不明の叫び声をあげている(←猿ぐつわされているので言葉にならない)哲之進様=藤原さん=役の設定は「幼なじみ」でも実質は約10歳年上の大先輩、の頭をバシッ!!!と実に小気味よく思い切りよく、そこに微塵のためらいもなく(と、おもわせるに充分なパワーで)叩いてみせたときには、あやうく「…hっ!」と悲鳴が出そうになった口をかろうじてハンカチでふさぎました(呵呵)。
やるからには遠慮なくおもいっきり!というその勢いがなんともあっぱれで、見方によってはこれまで「看板」としてめ組を支えてきた藤原さんと新宮さんおふたりの、あとに続く若手の人達への「檄」とも励ましとも捉え得る痛快な光景なのでした。

叩くといえば、『カリフォルニア物語』には藤原さん演じるマイケル・スワンソンが息子ヒースの頬を叩くシーンがありました。
ヒースはこの場面以外にイーヴとスウェナにもビンタされていましたし、リロイには2回グーで殴られ不良仲間にはボコボコにされ酒場でナンパされたピートとはホテルで乱闘と、意外に痛い目に遭うことが多かった(笑)のでした。
グーや乱闘は問題外として、ビンタシーンのうちイーヴは効果音でしたがスウェナとマイケルはほんとうに叩いていましたね。
このほど届いたclubLIFE会報2008年4月号Vol.37に、『カリフォルニア~』舞台写真とともにスウェナ役及川さんが「叩くシーン」と「キスシーン」について面白い文章を書いています(タイトル「ここでキスして」)。
会員限定の媒体なので詳しくは書けませんが、「叩く」も「キス」も稽古では最初のうちは“振り”ですすめ、本番が近づいた通し稽古あたりから“リアル”で演ってみたりするようになるのだとか。
文章は主に林さんヒースとのキスを巡るあれこれが楽しく描かれていて、一瞬のシーンにこもる俳優さんの想いを興味深く読みました。
オール男優集団の劇団Studio Life(スタジオライフ)では男性同士のキスシーンもラブシーンも珍しくありませんが、「免疫」を持たない林さんのなかに芽生えたらしい「躊躇」の描写が微笑ましかったです(キャストの一部を組み替えたGrade Crossingチームでの岩さんヒースと及川さんスウェナのカップルは、ライフの俳優同士らしく自然なリアル感のあるキスで楽しませてくれました)。

話を「叩く」にもどしますと、習作さんマイケルの叩き方はリアルといえども比較的ソフトだった※のに対してダブルキャストの石飛さんマイケルはかなり切れ味が鋭く、同じく「怒りっぽい性格」でも習作さんの「繊細さ→神経質」に対する石飛さんの「力強さ→強権的」という表現の対比がよく表れていました。
大千秋楽の舞台挨拶でマイケル姿の石飛さんが「林クンの綺麗な顔をほんとうに叩いていいのかと最初はおもいましたが、演ってるうちにだんだん快感になって……」と述べていた通り、たしかに毎回“ピシッ!”といい音がしていました……林さん、痛そう。
(※シーンありイープラス稽古場動画→http://mv-theatrix.eplus2.jp/article/87230038.html

また、ラストでニューヨークから姿を消してしまったヒースに思いを馳せるリロイの背中を、「さみしい?慰めてあげよっか?」と言いながらシ○ネルのバッグで毎回叩いていた習作さんルシンダの最終ステージでのアドリブは、あの赤いタイトミニから伸びた美脚による「蹴り」でした。
もっとも、右膝をリロイ廣谷さんの後ろに当てる程度のごく軽いもので、「バァ~ン♪」と自分で言いながらの可愛いキックに廣谷さんも客席も笑っていました。
リロイとルシンダの間柄は舞台では「微妙な関係」として軽く触れられていましたが、原作を読むとルシンダはリロイに対して深い愛情を抱いているのですよね。
ストレートであるヒースに受け入れてもらえない一途な恋心を抱き続けたイーヴと同じように、「気に入れば相手は男でも女でもネコでもいい」(←原作より)という多情なリロイを明るく許容しているルシンダの愛の大きさが、ソフィア・ローレンのように華やかな習作さんルシンダの笑顔に表れていたとおもいます。

そのあたたかい人間性は、『Warriors』クライマックスの「第四景 小倉城内」で、人として生きることと使命との相克に悩む沖田総司を受け入れ諭す哲之進の晴れやかさに継承されているようにもおもえました。
一念発起して籠もった宇佐八幡宮の巫女さんのものらしき赤い裾よけ(←つまり「腰巻き」ですね)で顔を隠して登場する哲之進、最終ステージではこのお腰を赤頭巾ちゃんのように被って首のところで紐を結んで出てきたのには吹き出しそうになりました。
登場場面が少ない分を、サービス精神あふれるアドリブで楽しませてくれた藤原さんでした。

その哲之進と相思相愛の小倉芸者・梅吉(清水祐美子さん)とがようやく顔を合わせる「最終景 小倉の海」での逆プロポーズは、清水さんの小気味よさがとても好きなシーンでした。
自分は巫女さん達とさんざん浮気をしておきながら、梅吉姐さんがちょっと沖田に興味を持っただけでやきもちを焼く身勝手な哲様には、ルシンダを見習ってほしいものです(笑)
総司に歩み寄る梅吉姐さんを遠ざけようとする哲之進が、彼女の喉元あたりを押しやるのは実質夫婦状態のふたりの信頼関係を物語るものの、やはり見るたびに少しだけどきっとしてしまっていたのですが、これが『カリフォルニア~』のように男優さんが演じる女性だと痛々しさは感じないのですよね。
でも千秋楽のこのシーンで、半襟の合わせ目あたりに当てられた藤原さんの手を逆に握り返すように、清水さんがにっこり笑って自分の手を重ねたのがとてもいい雰囲気で、嬉しいような安心したような気持ちになりました。
乙之介と総司の手合わせを寄り添って見守る哲之進と梅吉のシルエットに、悲劇志向の私としても、たまにはハッピーエンドもよいものだな、とおもいました。

コメント

非公開コメント

プロフィール

べきら

Author:べきら
観劇の記録です。

Twitter

月別アーカイブ

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。