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藤原習作さん『カリフォルニア物語』初日舞台挨拶

私が劇団め組の存在を知るきっかけになったのは、劇団Studio Life(スタジオライフ)『トーマの心臓』(2006年6月/紀伊国屋ホール/公演情報)を観に行ったときに手に入れた1枚の美麗なチラシ(『ASSASSIN 彰義隊後日譚』2006年8月/紀伊国屋サザンシアター/公演情報)でした。
『トーマ』にも『ASSASSIN』にも大きな感銘を受け、倉田 淳(スタジオライフ)と合馬百香(め組)というふたりの女性作家(倉田氏は演出も)の描き出す世界に強く惹きつけられたことでそれぞれの劇団の公演に足しげく通うようになりますが、かたや名作文芸作品、かたや時代劇と扱う世界がまったく異なるふたつの劇団に接点が生まれるとはよもや想像もしていませんでした。
それが、おもいがけないプロデュース公演、しかも、め組の俳優陣のなかでも私がもっとも心酔する藤原習作さんの外部出演という夢のような出会いが実現した、嬉しさに心がふるえるような舞台『カリフォルニア物語』(2008年2月/天王洲銀河劇場/公式サイト)でした。

私の記憶に基づいていますので、言葉の再現は正確なものではありません。
だいたいこのような趣旨だった、ということでご了承ください。



●2008年2月27日水曜日19時
Road 227(A)チーム初日

スタジオライフのメンバーと同じ舞台に習作さんが立っている!というだけで感動なのに、セリフのひとつひとつが観ているこちらの胸に切り込んでくるような、苦悩する父親の心情がたまらなくせつないマイケル・スワンソンに圧倒されました。

初めて聴く習作さんの歌声は、その艶のある美声に去っていった妻や息子への想いがあふれていて、胸が引き絞られるようでした。

終演後は26人のキャスト全員が横1列に並び、スタジオライフ主宰・河内喜一朗氏のMCで、上手・下手の端からひとりずつセンターに向かって「役名」「名前」「ひとことコメント」を述べました。

習作さんコメント:
マイケル・スワンソンを演じました藤原習作です。
こんなきれいな劇場で、こんなにたくさんのお客様の前で演じることができてとても幸せです。
千秋楽までがんばります。
ありがとうございました。


下手よりに立った習作さんは、ダブルのスーツをぴしりと着こなした、原作よりも若々しくて素敵なスワンソン氏のスタイルでの挨拶でした。

緊張気味の若いキャストもいるなか、穏やかな微笑を浮かべての挨拶は余裕と貫禄が感じられました。

この素敵な習作さんを前にして、無事に初日が開けた安心と感服に浸りたいのに私の気持ちがそわそわと落ち着かなかったのは、このとき習作さんの隣に立った石飛幸治さんのルシンダ・ヘイワース姿がどうにも気になって仕方がなかったからなのでした。

本役のマイケル・スワンソンのほかに裏役として女性役を習作さんが演じることは、公演前にめ組ファンクラブMegumiClubからの会員向けメールで知らされていましたので、Aチーム初日のこの日は習作さんとダブルキャストを組む石飛さんにも、マイケルと同時進行で注目していたのでした(なにしろこの日の石飛さんと同じことを翌日Bチーム初日で習作さんが演じるはずなのですから)。

冒頭のホテルの中年婦人のコミカルさに笑いながらもこれをほんとうに明日習作さんが?……と考えるだけでどきどき……おかげで全員が歌い踊る「ニューヨークシティー!」でのツナギ+MA-1フライトジャケット裏返しの習作さんを見逃してしまい……やがて登場したマイケル習作さんの姿にうっとりしながらもなお気持ちは落ち着かず……スペイン語の男は、これはソツなくこなしてくれるでしょうね……そして休憩後の2幕、ヒースがイーヴの治療代を捻出するためにウェイターとして働くことになったライブハウス「ブラウンズホール」のシーンが明転、ぴちぴちの赤いミニスカートに金髪の石飛さんルシンダが登場したのには度肝を抜かれてしまいました(笑)

石飛さんの女性役はこれまでに何度も観たことがありますので(それでもミニスカートは珍しいような……私が観たなかでは『銀のキス』の街娼がミニだったかもしれません)、それ自体には驚かなかったのですが、この同じ扮装をほんとうに明日習作さんがするのだろうか、あの凛々しく男らしく超絶かっこよい山本義経や土方歳三や彰義隊士・時雨(しぐれ)だったりした人が、と考えただけで気もそぞろになったしまい、舞台挨拶で並んだ石飛さんと習作さんを見比べてクラクラめまいがするようでした。

それでも、舞台『鬼夜叉』(2007年3月/吉祥寺シアター/公演情報)で(鬼夜叉との逢引が叶うことになって)ぴょんぴょん飛び跳ねて喜んでいた「源氏の殿」や、映像作品『TATTOO』での突き抜けた演技を思い出して気を取り直し、習作さんならばきっといいものを観せてくれるにちがいないと自分に言い聞かせつつ、アンケートに「明日のルシンダ、期待しています」と記入して家路に着いたのでした。

そして待望の翌2月28日……


●2008年2月28日木曜日19時
Road 39(B)チーム初日

可愛くて、色っぽくて、愛敬に満ち溢れていて、しかもいやらしさのない習作さんルシンダに、昨日の本役マイケルに負けないくらい圧倒され魅了され、俳優・藤原習作の奥行きの深さに改めて唸らされてしまったBチーム初日でした。

中年女性、スペイン語の男2、マイケル妹も、わずかな登場時間で観客の気持ちを一気に集結させる鮮やかさでした。

スタジオライフのファンクラブであるclub life最優先予約でチケットを取ったこの回は、最前列ほぼセンターという絶好のポジションで習作さんの変身ぶりを堪能する幸運に恵まれました。

回を重ねて観て行くにしたがって、外見の魅力だけではない、原作のルシンダの包容力、明るさの陰に抱いているものなどを習作さんが内包しているのに気付くのですが、このときはとにかく視覚の見事さに驚嘆するばかりでした。

習作さんコメント:
ルシンダ・ヘイワースほかを演じました藤原習作です。
今回、生まれて初めていろいろなものを装着しました。

(と、両手で肩から足までをなぞってみせる、その指の表情もきれいでした。)
それがイヤじゃない自分がこわいとおもいます。
がんばります。
ありがとうございました。


「いろいろなもの」には衣装の中側に身に付けているものも含まれるのでしょうね(参考:「女役教習」についてのべきらの過去記事→こちら)。

今回初めて女性役を演じるほかのキャストのブログにもブラジャーを着けた驚きの感想がupされていて楽しく読みましたが、習作さんの「イヤじゃない」には会場からも笑いが上がりました。

でも、リロイに「グラマーちゃん♪」と言わせるわりにはそれほどでもないような……もっとも、今回のふたりルシンダは衣装は同一ですがネックレスがちがっていて、習作さんの場合はゴールドとパールのじゃらじゃらしたネックレスが仏具状態に胸全体を覆っていたので、石飛さん(首に沿う短さの赤いビーズの二連ネックレス)ほどバストのボリュームが目立たなかったということはあるかもしれません(お辞儀の仕方も石飛さんは両手を胸前でクロスさせるかたち、習作さんはぴんと反らせた指先を膝前で揃えて、と微妙な差がありました)。

それにしても、頬にかかるブロンドの毛先、羽ばたくようなつけまつ毛の眼差しから指先、足先にいたるまで見事に「女性」でした……前日と同じ下手よりに石飛さん(この日は交代してマイケルのスーツ姿)と並んで立つ姿をほんの数メートル先の最前列席から舐めるように見上げている私の目つきはかなりアブナい「男目線」になっていたとおもいます(笑)

特に足が綺麗でしたね……この日から千秋楽までどうしても目が釘付けになってしまって困りものだった脚線美は、締まった足首からふくらはぎへの細すぎず筋肉つきすぎずのの曲線が絶妙で、加えて縦に細長い膝小僧の横から見たときの尖った形状もまたよきかな……その膝が常に(膝を離して立っているときでも)決して割れることなく内側を向いているので、目の細かい網タイツ(←たしかに網タイツでした!)に包まれた両足は形と表情との相乗効果で徹底して魅力ある女性のそれであり続けました。

ルシンダ以外の女性役は皆くるぶし近くまでのロングスカートでしたから――女性役初体験のキャストはそれはそれで裾がからまって大変だったそうですが――ごまかしのきかないタイトミニをあれほど完璧に着こなした習作さんの技量と身体能力の高さは賞賛に値するとおもいます。

もっとも、真正の男性の視点はまた別なところにあるようで、別の日に習作さんルシンダを観た私の知り合い男性A(スタジオライフ、め組両方の観劇歴あり)は↓このような感想を述べていました。
(いささか品性が低きに流れるきらいがありますが、長年気ごころ知れたおとな同士の酒の席での会話ということでご容赦ください。)

A:いやー、びっくりしたなー!――

私:何が?(←わざと訊く)

A:習作さん、すごいよ、色っぽいよ!――

私:足、綺麗だよね。足首からふくらはぎへの…

A:いや、ケツがいいよな――

私:は?

A:小尻だし、上がってる――

私:はぁ…

A:大腿四頭筋と二頭筋が鍛えられてるからお尻が締まって上がるんだよ。
彼、殺陣やってるし剣道もやってたんだよな?運動してる男のお尻はなまじの女性よりも形がよくなるいい例だな――

なるほど、と感心しつつAの顔がブラウンズホールでヒースのお尻を撫でて大騒ぎを起こすプロデューサーの顔に重なったりもしてしまいました。

そういえばいつかの回で、↑この騒ぎが収まって一同が下手に退場するとき、吉田隆太さんのマスターがルシンダのお尻をタッチ!、振り返った習作さんが「ばかッ!」とマスターのほっぺたをパシンと叩くアドリブがあって大笑いさせられたことがありましたっけ♪(このふたり、本役ではあのシリアスなマイケルとその美しい前妻シャーロットなのですから、それを考えるとなおさら可笑しくなってしまいました。)



男優が女役を演じる面白みについて倉田 淳氏は

異性が異性を演じることである種の生々しさが消滅し、本質が浮上してくるという異化効果――
眼前の事物からイメージを広げるという演劇の面白さ――

(「イロモノと言われつづけて……」『宝塚プラス 2』/2007年12月/小学館)

という2点を挙げていますが、ルシンダのような役は特に、男性が演じるからこそ女性客はおもいきり楽しめるのではないかとおもいます(↑のようなアドリブも女優さんだと生々しくなってしまうことでしょう)。

しかも女性が観て「痛み」を感じるレベルにまで突出しないところが倉田氏ならではの節度感で、安心して観ていられるのです。

その意味で、習作さんの女性役がスタジオライフで実現したことは(実は以前から漠然と「習作さんの女役、観たい」と感じていました)ほんとうによい出会いだったとおもいました。

コメント

『カリフォルニア物語』の詳細レポありがとうございます。藤原さんの舞台挨拶を色々と想像してニヤニヤして
おります。べきらさんは本当に舞台がお好きなんですね!!ミュージカルは観ないのですか?
私は移り気で好き嫌いが激しく贔屓の劇団が見つかりにくいのですが、『劇団め組』
だけは続いています。今度記事にあったメルアドへメールを送ってもよろしいでしょうか?

>フェイフェイさん
レポをお楽しみいただけて、とても嬉しいです。
生身の俳優さんが目の前で演じてくれる舞台は、迫力があって、わくわくするほど大好きです。
ミュージカルもきっと楽しいにちがいないとおもっているのですが、ストレートプレイだけでも観たい公演が目白押しで、なかなか行くことができないのが実情です。
なるべくいろいろな劇団を観るようにしているのですが、なかでもめ組の世界にはとても心惹かれるものがあり、これからも観続けていきたいとおもっています。
メール、いつでもお待ちしています。
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