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2007年、残像10作品

105本観ることができた(明細→)なかで、今もイメージが鮮烈に蘇る10作品を挙げます。

順番は私・べきらが観劇した順で、作品の評価に上下はありません。



・『動物園物語』(THEATRE1010)
休日のセントラル・パーク、上空を通り過ぎる飛行機の音、子ども達の歓声、木洩れ日のなかのひとつのベンチ……緑の匂いにむせかえるような魅惑的な舞台でした、
罪のない(はずの)日常生活のある日あるときに突然遭遇してしまう=させられてしまう、足元の地面が割れて傷口をさらけ出したような出会いとの対比が見事な。

・『甘い丘』(KAKUTA)
私は激動のおとこ芝居を好む傾向にありますが、この作品では女のひとの優しさ、受け入れるという力、女であることのよさを痛感しました。
カーテンコールで涙がつーっと頬を流れ落ちてしまい、あわてて指でぬぐったその瞬間に舞台上の男優さんのひとりと目が合ってしまったのは不覚(見られた!)でした。
どれほど感動しても「うるむ」どまりというテンションの低い観客である私をまんまと泣かせた、2007年を通して唯一の作品です。

・『奥州安達原』(ク・ナウカ)
謡(うたい)か祝詞(のりと)のような不思議な言語、さまざまな形をした民族楽器から発せられる国籍不明の音楽、二人一役で演じられる人間版文楽のような演じ方がどれもこれも斬新で魅力的でした。
実質的な解散公演を観ることができた出会いに感謝します。

・『紙屋町さくらホテル』(こまつ座)
これを伝えていかなければならない、という作者・井上ひさし氏の強い使命感を感じました。
はっきりと、丁寧に発せられる台詞はこまつ座ならではの安心感があります。
兵器に勝る言葉の持つ力が証明されるシーンが素晴らしいです。

・『東京ノート』(青年団)
美術館に居合わせた幾組かの客のやりとりが淡々と進むだけなのに、舞台空間から感じとる作品世界の奥行きの深さ、強さ、迫力に惹きつけられ通しでした。
大事件も絶叫もないのに、ラストの瞬間には波がうねるような感動に呑み込まれました。

・『エンジェルス イン アメリカ』(tpt)
「劇団の力」とはまた別に、「カンパニーの力」というものがあるとおもうのですが、それが強烈に感じられた作品でした。
年末の『審判/失踪者』も負けないパワーでしたが、作品世界そのものにより魅了されたこちらを選びました。
どのシーンを思い出しても、好き!とおもえる情景ばかりです。

・『鬼夜叉』(劇団め組)
初日を観終えた帰り道、最寄り駅からの家路は満開の夜桜……さきほどの華麗でせつない、現代の男と女のあいだでは成立し得ない無垢な恋の物語は幻だったのかしら……桜に見とれ、作品の余韻に浸りながらぼんやり歩いていたらあやうく車にはねられそうになりました。
今も想い出すたび哀切感に胸が満たされる、他のどこにもない、劇団め組の美意識が創りあげた稀有な夢の世界です。

・『ワンス・アポン・ア・タイム・イン京都 かげろふ人』(THE・ガジラ)
暴力と血と嘔吐物にまみれた救いのない闇の世界――それなのにこれほどに惹かれてしまったのは、そこに私自身のなかの心象風景と合致するものがあったからにほかならないとおもうのです。
いくらあがいても打破できない絶望的状況のなか、残るのはこれしかない対象を必死に求める主人公の姿に没入しました。

・『孤児のミューズたち』(劇団Studio Life)
美しい男優同士が演じる耽美な文芸作品にはいつも胸がときめきますが、本公演とは別の、「未だ知られていないロンドンやニューヨークの小劇場の傑作を東京の舞台へ」というコンセプトのThe Other Lifeとしての今作品は、Studio Lifeの特色を活かしながら同時に演劇集団としての蓄積された実力を感じさせました。
林 勇輔さんのイザベルが素晴らしかったです。

・『東京裁判』(パラドックス定数)
終演の瞬間、満席の会場内の緊張が一気に崩れ、集団放心状態になったのを覚えています。
ハードな作品世界とは対照的にほんわかした雰囲気の主宰・野木萌葱氏がふつうに会場内で案内などしていらっしゃるのも驚きでした。
2007年の終わりに凄い才能と出会えてよかった、とおもっていたら年明けに才能ご本人直筆の署名・メッセージ入り年賀状が届いて再び感動と驚きに包まれました(アンケートを記入・提出した客宛てに発送なさったものと推測します)。
野木氏とパラドックス定数をこれからも追跡・応援していこうと決意を新たにした2008年念頭なのでした。

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