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舞台『銭に向け叫ぶ』

少年社中とホチキスというふたつの劇団が期間限定で結成した「劇団 毛利と米山」の公演です。
劇団名は少年社中の主宰・作・演出の毛利亘宏氏、ホチキス作・演出の米山和仁氏のそれぞれの苗字を合体したものとおもわれます。
スピード感と娯楽性が評判の少年社中は以前から観たいとおもっていたのですがなかなかタイミングが合わず、他劇団との合作ながら今回ようやく観劇が実現しました。
合作のせいか動きの激しさは予想していたほどではありませんでしたが、物語の展開のスピード感は充分楽しめました。
ホチキスという劇団は今回初めて知りましたが、ひと目見たら忘れられない濃い個性の俳優さんが印象深く――とくに主役・天馬大吉(てんまだいきち)役の山雅志さんと、怖いくらいハイテンションな派遣社員・籠本夏代役の小玉久仁子さん――、観てみたい劇団がまたひとつ増えました。

演劇の楽しみには開演前や開演後のロビーの雰囲気も含まれると私はおもうのですが、今回は物販スタッフの嫌味のない営業力に心地よく乗せられて、買うつもりのない買い物をしてしまった(笑)のが楽しかったです。
カーテンコールで俳優さんから「ロビーで今公演のDVDを予約いただいた方には一部1,000円の上演台本をプレゼント」という告知がありましたが、公演DVD好きの私にしては珍しく、この日はとりあえず台本だけ買って帰ろうとしていました。
ところがオリジナルTシャツ(ワニ柄?)を着た物販スタッフ(女性)に「DVDをご予約いただきますと台本がつきますがいかがですか?」「台本は今お持ち帰りいただけます♪」と明るく勧められて「あ、そうですか、それじゃ……」と結局3,000円の公演DVDを予約してしまったのです。
この女性スタッフ、開演前に「プログラムは販売していますか?」と訊ねた私に「プログラムの販売はありませんが、配役表は座席のチラシのなかにお入れしています♪」と親切に答えてくれた人でした。
小劇場演劇の場合プログラムを製作せず、代わりにスタッフ、キャスト名など基本的情報を記載した配役表を配布することが多いのです(この配役表が「厚紙」でできているのもユニークでよかったです。ほかはペラ紙がほとんどですが、それだとほかのチラシにまぎれて行方不明になったり、バッグのなかで折れ曲がったりしてしまうのですよね。)。
「販売していません」「台本がつきますがいかがですか?」で終わらせない「配役表は座席の~」「台本は今お持ち帰りいただけます」のプラスアルファのひとことで客の知りたい情報を(客に訊ねさせる前に)提供する、そしてそれを押し付けがましくなく言える好感度の高さが買い物の後味を決めてくれました。
会社員である私はいわゆる現業分野の人間ですが、現場がおもう存分動けるのは、支えてくれる部門(管理部門や営業部門)がもろもろの事柄を日々着実にこなし、まわしてくれているからこそだということを仕事年数を重ねるごとにますます実感するようになっています。
その意味で、今回の「劇団 毛利と米山」はよい人材に恵まれているとおもいました。



期間限定劇団 毛利と米山(少年社中←音が出ます×ホチキス
『銭に向け叫ぶ』
2007年8月23日木曜日~26日日曜日(全7ステージ)
シアタートラム
※名古屋公演あり

作:米山和仁(ホチキス)
演出:毛利亘宏(少年社中)

前売り3,300円
当日3,500円
学生割引(高校生以下、要学生証)1,500円
※学生割引は当日精算

べきら観劇日:
2007年8月24日金曜日夜の部

上演時間:2時間10分(休憩なし)

【物販】
プログラム販売なし(席置き配役表あり)
台本1,000円
公演DVD(予約)3,000円
(DVDを予約すると台本がオマケでつきます)
オリジナルデザインTシャツ
過去公演DVD多種類



・『銭に向け叫ぶ』特設サイト:
http://www.psychic8.com/moriyone/index.html



↓ネタバレありレポ
名前を入力するとその人の価値を金銭に換算するHPが物語のキーポイントになっているのがいかにも「今」の世の中の価値観を反映しているとおもいました。
昔のなんとか温泉ランド(あるいはさびれた遊園地?)みたいなピラピラの短冊ビニールカーテンが舞台の両袖にかかり、セットと俳優を乗せた台が上手、下手の両方からひんぱんに出入りして複数の物語をスピーディに同時進行させていく演出が面白かったです。
これをその都度暗転させていたらめまぐるしくて仕方ありませんし、台の上でポーズしたまま登場したり退場したりする俳優さん達が操り人形のようにもみえるところがそれこそ遊園地の見世物小屋的雰囲気でよかったです。
最初のうちは5~6種類のストーリーがばらばらに爆走するのを追いかけるのが精一杯で、(音響が割れてセリフがききとれないところがあるなどしたせいもあり)、笑いの箇所も笑いきれないまままんじりと時間が過ぎていくのにまかせていました。
少年社中かホチキスのどちらかの劇団の熱心なファンらしい一部の観客からはさかんに笑いがおこるのですが、ほかの多くのお客も私同様消化不良でとまどい気味のように感じます。
それが社内でいじめを受けている地味な派遣社員・夏代(ホチキスの小玉久仁子さん、すさまじい迫力に客席圧倒でした)が抜群のアイディアセンスを発揮してヒット商品を生み出していくあたりから一挙に盛り上がり、物語もまとまり出して舞台に惹きこまれていきました。
宗教や公害、インターネット犯罪などさまざまな社会問題をほうりこんで「お金」という調味料で具同士をつなげる闇なべのようなまがまがしさがあやうくて面白い舞台でした。

あと、落ちぶれたタレントである主人公に事務所が考え出したコンセプトが「高齢化社会を見据えた介護アイドル」というのも時代を先取りしたなかなか面白い設定でどんな展開をみせてくれるのか期待したのですが、高齢ファンをひたすら忌避するだけで終わってしまったのはもったいなくて残念でした。

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