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舞台『地獄のKiosk』

開演前、当日パンフレットに目を通していたら「怪談」と書いてあって、オバケが苦手な私はうろたえてしまいました
子どもの頃化け猫映画のポスターをみて恐怖に大泣きしたのがきっかけでした。
夏になると駅に貼られるホラー映画のポスターが今でも怖くて、みないようにして足早に前を通り過ぎます。
帰ろうかな(チケット代2,500円は劇団に寄付ということで)、とも一瞬おもったのですが、佐藤佐吉演劇祭2008参加作品(当初は8作品でしたが1作品は中止)のうちせっかく5作品までみたのだから、6作目のここでくじけるのも惜しい……。
「15万円キャッシュバック」には参加していませんが、劇場が選んだ作品群というところに惹かれて、真夏の暑さに体が持ちこたえられるかぎりはひととおり観ようと決意していたのです。
結局、オバケが出たら目をつぶることにして(笑)席にとどまりました。

薄暗い舞台にろうそくのわずかな明かり、うごめく人影……結果的に怖い顔をしたオバケは登場せず、地下世界の人間達が生死のあいだをさまよう怪奇物語というかんじでした。
不思議なことがいろいろ起きるなかで私が共感できたのは、Kiosk親子と掘削部隊が現状打破を必死に追い求める姿でした。
劇団サイトにある「絶望的な状況に抗う人間の不様なまでの執着と葛藤」そのものです。
終始薄暗いままの舞台に、だんだんと観ているこちらまで気持ちが鬱屈してきます。
明かりをつけて!と叫びたい気持ちになりましたが、生まれたときから空も海も知らない地中世界の人間達はずっとこうして生きているしかないのです。
希望の光がみえない、という状況が人の心をすさませることを実感しました。

演劇公演に通うようになったこの約2年のあいだに、舞台を正視できなくなったことが2~3回あります。
もっとも鮮明に覚えているのはファッション街の商業施設の上階にある小規模ながらも素敵な劇場で、センスある美術と衣裳、有名な女優さんが演じる大人のラブストーリーでした。
演技もストーリーもチケット代に十分見合うレベルに作りあげられていたのですが、人がなにかの事態(このときは「離婚」)に向き合うときの感情の動きのどこをみつめるのか、なにを大切におもうか、というところにまったく共感できず、私はここにいるべきではない、きてはいけない客だったのだといたたまれなくなってしまったのです。
外国では観客は毅然として途中で席を立って帰るそうですが、日本人のなかでも人一倍小心な身としてはそれもかなわず(端の席だったら帰ったかもしれませんが、こんなときにかぎって列の中央あたりでした)、みているのがどうにもつらくて下を向いてしまっていました。
今回の『地獄の~』は、楽しくはありませんでしたしついていかれないところもあって、これから小劇場演劇を観てみようという方には正直なところお薦めできません。
でも、私自身は少なくても訴えてくるものをつかみとろうと舞台をみつめつづけることはできました(オバケも出なかったことですし、)。

綺麗なものがひとつもないなかで、Kioskの娘役北島佐和子さんの白いドレス姿とそのあとの脚線美が目に沁みました。
流れ続ける本水の音も印象的でした。
たぶんかっこいいはずなのですが、暗いのと衣裳で顔がよくみえないのが惜しかったのが掘削隊リーダーの佐藤リョースケさんとアウトローな橋本直樹さんでした。
(ロビーでのお見送りがありましたが、さっぱりと着替えた私服姿だったのでどれが誰だか判別部不能……)
橋本さんとKioskの妻役篠原里枝子さんとの大人なシーンは、やりきれない退廃さがよかったです。
カーテンコールがなく、拍手のタイミングを逃してしまったのは残念でした。

開演までのあいだ、舞台上でレトロな雰囲気が魅力的な、コントラバスとアコーディオンのユニットcatsup(ケチャップ)による生演奏があります。
はやめの到着をおすすめします。
重苦しい劇中もcatsupの生の音に救われました。



佐藤佐吉演劇祭2008参加作品
スパンドレル/レンジ
『地獄のKiosk』
2008年8月21日木曜日~25日月曜日(全8ステージ)
王子小劇場

作・演出:松本淳市

日時指定全席自由
前売2,500円
当日2,800円
中高生割引1,500円(各回10名限定・要学生証・事前予約)
※「受付開始は開演の45分前、開場は開演の30分前」と申し込み確認メールに記載してくれたのはありがたかったです。
劇団サイトに受付開始時刻が見当たらず、早めに受付=支払いを済ませたい性分の私はあやうく1時間前(←ふつうこちらが多いですので)に行ってしまうところでした。
受付は階段を下りた地下にあります。
藤井びんさん(?)のアップ顔のチラシをたくさん貼った「受付は地下です」の案内が楽しいです。

べきら観劇日:
2008年8月22日金曜日昼の部

上演時間:1時間45分(休憩なし)

【物販】
未確認

【当日パンフレット】
B5/4P
・主宰松本淳市氏による挨拶文
・キャスト、スタッフ表
・今後の予定
劇団の次回公演は12月1、3、5日阿佐ヶ谷名曲喫茶ヴィオロンにて、仮タイトルは『猫女』……コワいです。

catsup情報:
コントラバス・熊坂義人さんのブログ→人生だいたい大丈夫
アコーディオン・熊坂るつこさんのサイト→kumasaka rutsuko home page..
※おふたりはどうやら兄と妹のようです。

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