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舞台『血の婚礼 Blood Wedding』

昨2006年、真夏のベニサン・ピットでTPT(シアタープロジェクト東京)による上演を観て魅了されてしまったスペイン戯曲『血の婚礼』――アンダルシアの風土と死へ向かう強烈な情愛を白井 晃さんがどのように表現されるのか、これは見逃せないとチケットをとりました。
白井さん演出の舞台を拝見するのは『偶然の音楽』(2005年11月)『HYSTERIAヒステリア』(2007年2月)に続いてこれが3度目です。
『偶然の~』は石とコンクリートの硬質な美術、月の光のように冷え冷えした明かりでアメリカ社会に生きる人々の孤独を、『ヒステリア』は高度のテクニックを駆使して(舞台空間が曲がった!)人間心理のゆがみを表して、いずれもセンスが高くスタイリッシュなかんじと、演出家のクールな目線が印象的でした。
今回の舞台では、赤茶けて乾いた土地のうえに男達の熱く濃い血がみるみる広がって吸い込まれていく美術と照明(映像テクニック)が恐ろしくも素晴らしかったです。
TPT版(台本/広田敦郎)では描かれなかった、レオナルドと花婿の対決シーンが少しだけですが登場したのはわかりやすくて嬉しかったです。
ただ、私は2階席の上手側A列(最前列)だったのですが、見切れ(死角になる部分)が大きくて残念でした。
舞台の前方部分が客席側にせり出したデザインだったため、よけいに見切れが増えてしまったようです。
これでA席9,000円というのは無理があるのではないかとおもいました。



TBS/アトリエ・ダンカン
『血の婚礼 Blood Wedding』
2007年5月3日木曜日~5月20日日曜日
東京グローブ座

原作/フェデリコ・ガルシア・ロルカ
台本・演出/白井 晃

S席:9,000円 A席:7,800円 B席:6,800円

上演時間:2時間弱(休憩なし)

【物販】
プログラム1,300円
ポスター(大)(小)価格未確認



・アトリエ・ダンカンによる公演サイト:
http://www.duncan.co.jp/web/stage/bloodwedding/index.html

・TBSによる公演サイト:
http://www.tbs.co.jp/event/bloodwedding.html

・eプラスによる紹介(森山未來さんインタビューあり):
http://eplus.jp/sys/web/theatrix/special/blood.html

・TPT『血の婚礼』情報:
http://www.tpt.co.jp/top/chinokonrei.html
※2006年8月、ベニサン・ピット

<マスコミ掲載情報追記>
・読売新聞2007年4月18日付け夕刊:情熱のフラメンコ披露 「血の婚礼」主演森山未来
YOMIURI ONLINE:http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/stage/theater/20070418et04.htm(2007-04-18)

・読売新聞2007年5月16日付け夕刊:血の婚礼(TBS、アトリエダンカン) むき出し 愛の交歓
YOMIURI ONLINE:http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/stage/theater/20070516et05.htm(2007-05-16)



↓ネタバレご注意
東京グローブ座の2、3階席最前部手すりは「板」状なため、完全に視界が遮られてしまいます(たとえば世田谷パブリックシアターのそれはフェンス状なので、隙間から舞台が見えます)。
A列に座るとどうしても前屈みになりたくなりますが、そうすると今度は自分の頭で後ろの観客の視界をふさいてしまうのです。
そこで開演前に女性スタッフが「A列のお客様は前屈みにならないようご協力ください」と注意するのですが、これを忠実に守ると、通常より前方にせり出した長方形の舞台の上手前方4分の1はまったく見えませんでした。
上手端に置かれた椅子にギタリスト渡辺香津美さんが(たぶん)座って演奏を始めるところから舞台が始まるのですが、私には渡辺さんの帽子しか見えませんでした(笑)
ヤマハに特注したというフラメンコ・ギターも渡辺さんの手元もまったく見えません。
私は楽器には不案内ですが、渡辺さんのギターを楽しみにしていらした方は落胆されたのではないでしょうか(渡辺さんはこのあと下手側や舞台中央でも演奏しましたが、やはりせっかく席に近い側に来てくれたときによく観たいのが人情でしょう)。
力強く床を踏み鳴らす森山未來さんのスピーディなフラメンコも、ジャンプして着地する最後の決めのポーズのところで視界からはずれてしまいますし(カーテンコールに踊ってくれたときも同様)、しなやかな動きが美しい「黒い男」(新納慎也さん)と「月」(尾上 紫さん)のからみも、見えるのは新納さんの背中だけで、清楚な「少女」とは対照的に本能的な欲望を象徴する尾上さんの表情の変化を堪能できませんでした(尾上さんは「少女」と「月」の二役)。
上手側、下手側の客席通路を俳優さん達が何度も行き来しますが、森山さんのレオナルドとソニンさんの花嫁はもっぱら上手側の客席通路を通るので、これも完全な死角です。
ベール(←透けすぎず、厚すぎずの質感が素敵!)を翻してソニンさんが森山さんと手をつないで走り去る(たぶん)必死にせっぱつまった逃避行の様子、観たかったです……。
私の記憶ですが、今回と同じく前方せり出し型だった『偶然の音楽』のチケット前売り時、“舞台デザインが未決定であり、決定したデザインによっては席の位置が変わる可能性があります”という主旨の告知があったとおもいます。
今回ももしかしたら、前売りが始まったあとにこの「見切れ発生デザイン」が決定してしまったのかもしれません。
1階席はまだしも、席を動かしようのない2階席、しかも東京グローブ座特有の構造、チケットはすでに売れてしまっている……制作関係者の方々は悩まれたことでしょう。
対応策、手間、予想される結果(含クレーム)を検討された結果の今公演と予想しますが、舞台の内容がよかっただけに残念でした。

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