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舞台『ピンポン、のような』ポストパフォーマンストーク照明編

『ピンポン、のような』ワークインプログレス レポ追記しました(2007-05-08)→

王子小劇場で上演された時間堂『ピンポン、のような』2007年4月30日月曜日(昭和の日の振り替え休日)昼の部終演後に開催されたポストパフォーマンストーク(以下、PPTと省略する場合があります)のレポです。
演劇公演のPPTというと、演出家と俳優が登場するケースが多いですが、今回は照明家によるトーク、しかもひとつの舞台を3人でデザインというのが珍しいです。
私・べきらは3日前の27日金曜日昼の部をすで申し込んでいたのですが、時間堂2007計画ブログや王子小劇場ブログでの告知を読んで、追加でこの回を申し込みました。
チケット半券を提示すればPPTだけ参加することも可能だったのですが、せっかく劇場に足を運ぶのだから公演そのものももう一度観ることにしました。
公演本編についていえば、結果的に観劇1回目とはこれが同じものかとおもうほど内容が格段によくなっていて、2回観てよかったとおもいました(公演レポは別記事で作成中)。

この回の公演本編は補助椅子も出てほぼ満席でした。
終演後に10分ほどの休憩をはさんでPPTが始まりました。
参加者は客席の8割くらいでした。
舞台の中央に置かれた大きな卓球台をテーブル代わりにして、下手から司会の演出助手・佐伯風土さん→3人の照明家(繊細な雰囲気の工藤雅弘さん→ハンチングがお洒落な松本 永さん→ほんわかムードの安齋里美さん)がそれぞれPETボトルの水を手に座り、上手の古びたソファに作・演出の黒澤世莉さんが腰掛けて、合計5人が登壇しました。
安齋さんのみが女性、あとの4人は男性です。
予定は30分でしたが、質問もいろいろ出て30分以上あったとおもいます。
肝心の照明デザインの違いについては、説明を聞いても正直なところ「え?そうだったっけ……」とわからなかったところもあったのですが(私の注意力不足です)、照明家としての考え方、演出家と照明家の関係など興味深い話を聞くことができて、全体としてとても有意義で貴重な時間でした。
この日は千秋楽で、このPPTのあとにラストとなる夜の部がひかえていましたので、はやく切り上げて夜に備えたいこともあるでしょうに、「質問ほかにありませんか?ほんとうにもう(終了して)いいですか?」と促す黒澤さんの真摯さが好ましかったです。
着替え終わって途中からそーっと入ってきた俳優さん達――客席内にトキコ役こいけけいこさんとスズメ役河合 咲さん(?)、キャットウォークにワシオ役原田紀行さん――も最後まで熱心に聞いていました。

稽古期間中に創作過程の発表会を無料で一般公開するワークインプログレス(WIPと略します)を行ったり、料金をシネマプライスシアター(映画と同じ1,800円)に設定したり、客の良識を信頼して上演中の飲食を解禁したり(ロビーではお酒を販売!)と、なにかと新しい試みに挑戦している時間堂と王子小劇場の活動には注目しています。
とくに、演劇業界人ではない一般の観客に対してオープンな姿勢が感じられるのが新鮮です(WIPや公演プログラムの文言、素人にも演劇用語がわかりやすく書かれるブログ、劇場での制作スタッフのホスピタリティ、スタッフがフルネーム記載の名札を胸に装着など)。
小劇場演劇を観に行くと、芝居仲間や友達、演劇関係者だけで盛り上がっている「内輪」感がみなぎっていることが多く、その雰囲気(と疎外感)を味わうのもまた小劇場観劇の楽しみのひとつといえるでしょうが、金をとって作品を世の未知の人々に問うのだという、おおげさにいえばプロの創作者としての視野の広さが欲しいと私のような一般人は感じるのです。
その意味で、時間堂と王子小劇場がこれからどうなっていくのか、楽しみに期待したいとおもいます。


【公演情報】
時間堂
『ピンポン、のような』
2007年4月26日木曜日~30日月曜日祝日
王子小劇場
作・演出/黒澤世莉
前売り・当日/1,800円(シネマプライスシアター)
学生・北区在住者・シニア(60歳以上)/1,500円
※学生は当日券のみ
全席自由
上演時間90分

べきら観劇日:
4月27日金曜日昼の部(観劇1回目)
※↑昼ギャザ実施、300円キャッシュバックあり
4月30日金曜日昼の部(観劇2回目)
※↑PPT照明編実施



・時間堂サイト:
http://www.seriseri.com/jikando/

・王子小劇場サイト:
http://www.en-geki.com/

・時間堂2007計画ブログ/「ピンポン、のような」W Lighting Design(2007-04-19):
http://blog.livedoor.jp/jtc2007/archives/50141530.html

・王子小劇場ブログ/明かりづくり(2007-04-24):
http://blog.livedoor.jp/ojiblog/archives/53866932.html
※劇場スタッフ・松本さんによるPPT告知記事。舞台照明のつくり方についての解説が素人にもわかりやすくて親切。

・時間堂2007計画ブログ/「ピンポン、のような」ポストパフォーマンストーク(2007-04-24):
http://blog.livedoor.jp/jtc2007/archives/50152941.html
※W Lighting Designを含む、舞台『ピンポン、のような』PPT全般について



↓PPTで印象に残った言葉や質問など。私・べきらの記憶によるもので、内容・発言順とも正確な再現ではありません。結果的に公演本編のネタバレになる内容が含まれています。
敬称略
※はべきらによる注釈とコメント



佐伯:それでは、まず黒澤さんから作品について。

黒澤:初演(※2003年9月)のときは、ただピンポンをやっているだけだったんです。でも、物語があったほうがお客さんにはいいんじゃないかとおもったので、今回は物語にしました。台本も、後半はほとんど新しくなっています。
※台本は↑時間堂サイト内の「戯曲集」で途中まで読めます。劇場ロビーでは全内容収録の台本が700円で(お酒のとなりで)販売されていました。この台本販売は公演3日目の4月28日からだったので、それ以前に観劇した人が入手希望の場合は、時間堂に連絡すれば道は開かれているようです(→こちら)。私は30日に購入できました。なお、↑時間堂サイト内の初演情報によれば、初演には黒澤さん自身も出演していたのですね。

※次に、3人の照明家によるデザインの説明がありました。3人の分担は、4月26日齋藤さん、27~29日工藤さん、30日松本さんでした。私は工藤さん(27日昼)と松本さん(30日昼)のデザインを観たことになります。27日観劇の時点でこの3デザインのこともPPTのこともわかっていたので、27日にはしっかりと照明を観察、したつもりでした。そして30日に劇場に入ってみると……?……27日との違いがわからない……観察力と記憶力のない演劇素人の悲しさを実感しました。松本さんデザインの特徴は天井から吊り下げられた数10本の裸電球(←綺麗でした)だということは目の前で解説してもらってのでよくわかったのですが、工藤さんデザインは解説されても記憶が蘇らず……工藤さん、ごめんなさい。
あと、スランプ状態の小説家・江川チヅルが自分の担当編集者で妻子持ちのハトヤマ俊介にキスする瞬間も、工藤さんのときは完全暗転(=真っ暗)、松本さんのときは「うっすら見えるかんじ」だったとのことでしたが、私は両方とも真っ暗で見えませんでした……。齋藤さんのときは「かたちがわかる程度」だったそうです。齋藤さんのときも観ればよかったとおもってしまいました。

工藤:黒澤さんは「リラックスして集中してください」とよく言います。「リラックス」と「集中」って相反することですよね。「集中」だけ要求するのがふつうだとおもいますけど、そこに「リラックス」という要素をもってくるのが演出家として稀有だとおもいます。

松本:演出家って、たいがい「ここはバーッとした照明で」とか「ガーッとした照明で」とかしか言わないんですよ(「ナガシマなんだよね」と工藤さん、うんうんとうなずく齋藤さん、笑う黒澤さん)。その「バーッ」とか「ガーッ」を形にして目に見える状態にするのが照明家の仕事です。コンサートに行くと明かりのショーみたいになりますよね。でも、(演劇の)照明は気付かれないくらいでいいんです。俳優さんがよく見えて、お客さんにちゃんと見える形ができていれば、照明がどうなっていたかとか、おもってもらわなくてかまわないんです。

黒澤:「リラックスして集中」というのは演出家であるかぎりはずっと言い続けなければならないことだとおもいます。それから、松本さんと同じで、演出家の存在も目立たないほうがいいとおもいます。

※司会・佐伯さんが客席に「演劇に関係している方、どれくらいいらっしゃいますか?」と呼びかけると、黒澤さんから質問が漠然としている、とツッコミが――「では、制作、俳優など実際に演劇活動に携わっている方は?」と問いかけると客席の3文の1くらいの手が挙がりました。「ではさらに絞り込んで、照明の方は?」――女性がひとり挙手なさるのが見えましたが、ほかにもいらしたかもしれません。「では、皆さんどうぞ質問を」と佐伯さんが促すと、「照明以外のことでもいいですよ、たとえばビールはほんものですか、とか」と補足する黒澤さん。

【PPT参加者からの質問】
・ビールはほんものですか?(男性)――
黒澤:ご想像におまかせします、といったらつまらないですよね(笑)ほんものではありません。初演のときはほんものを使いました。(初演のときは)がんがん飲んでましたね。
※アサヒ「スー○ードライ」の350ml缶と500ml缶が使われていました。ちなみに、『CLEANSKINS/きれいな肌』シアタートーク(4月24日昼の部後)でも同じ質問が出て、北村有起哉さんが「あれはノンアルコールビールです」と答えていました(缶ビールのブランドは不明)。

・卓球は練習したんですか?(男性)――
黒澤:稽古の半分は(卓球の)練習でしたね。
松本:プレビューのときに比べるとぜんぜん違いますよ。
※温泉旅館の娯楽室が舞台で、登場人物8人のうち6人がひんぱんにピンポンをするのです。開幕前の前説で「最前列の方にはピンポン球が飛んでくる可能性があります」との注意喚起がありました。質問者の男性がふたりの答えに「やけに上手だとおもいました」と返していました。卓球を含むスポーツ全般にうとい(観るのもプレイするのも)私が見ても、幕開け2日目(4月27日昼)と今回の5日目(同30日昼)では格段に進歩していました。球のスピードが違うし、放物線を描いていたのがネットすれすれの直線に近くなっていましたから。ただ、ワシオ大輔役原田さんは最初から上手だなとおもいました。

・夢のない話で恐縮ですが、照明家を3人使うにあたっての予算的な問題はどうクリアしたんですか?(女性)――
黒澤:結論から言うと、なにもクリアしてないんですよね。もともと1年間工藤さんにお願いしていて(※「時間堂2007計画」のこと?)、工藤さんからこんなことやったら面白いんじゃないか(=3人の照明家によるW Lighting Design)という提案があって(※工藤さんが同意の表情)。急な企画だったし、告知もできてなかったし、公演そのものも急だったですし。だから(3デザインの)記録とかとってないんですよね。
※客席から「えー!」と驚きの声が挙がりました。私も驚くと同時に意外でした。時間堂サイトでのもろもろの公演報告記事の精緻さとupの迅速さには感心していましたので。「工藤さんは週に2~3本の公演を抱えているけど、写真とか残さないそうですよ」と黒澤さんが付け加えると、すかさず佐伯さんが工藤さんに「それは、なにかポリシーがあるんですか?」と。工藤さんの答えは「別に……デジカメ持ってないんです。」でした。

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