スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

舞台『鬼夜叉』その2

ネタバレあり藤原さんレポ途中upしました<2007-04-26>

ひとつの劇団を追跡して観続ける楽しみは、なんといっても「同じ顔ぶれの役者さんが今度はどんな間柄を演じるのか」にあります。
劇団め組は時代劇を中心に男と男の結びつきをテーマに描き続けていて、看板役者である新宮乙矢さんと藤原習作さんのコンビが毎公演の軸になっています。
私・べきらは、め組の公演観劇は今回の『鬼夜叉』でまだ3回目という履歴の浅いファンですが、回を追うごとに藤原さんの魅力と実力の深さに惹きこまれています。
今公演での藤原さんは、自分を天皇に通じる「御所さま」という呼称で呼ばせ、皇統乗っ取りを謀るほどの権力欲を持つ「将軍」を演じてピカレスクな魅力が強烈な引力を発揮し、その一方で美貌の能役者・鬼夜叉(演・新宮さん)を駄々っ子のように溺愛する様子は冷酷な暴君が心に秘めた情の熱さで魅了してくれました。
プリマバレリーナの華麗な踊りが実は相手役の男性ダンサーによって成り立っているように、花形の新宮さんの「動」の演技を藤原さんが「静」の立場で相性もぴったりに受けとめているのがこの名コンビのよさなのでしょう。
ウェブサイトで探し当てたインタビュー動画*-1などでも、言葉が少なく控え目な新宮さんをかばうようにもっぱら藤原さんが取材者の質問に対して雄弁に答えていて、まるでジャーナリストの攻撃から無垢な姫を守る騎士のようなのが微笑ましかったです。
そのぶん、舞台での藤原さんの芝居は抑えたものになり、いったん奥へ沈んだエネルギーが再浮上してあらわれるような、底にあるものの大きさを感じさせる感情表現に、観ていて心をわしづかみにされてしまいます。

・*-1 インターネット動画提供サイト CityComTV アーカイブより:
http://www.citycomtv.com/library/library3.htm
※「劇団め組-対談 緊張の公演直前対談」「劇団め組-公演 見るたびに魅せられる」の2タイトルが掲載されていますが、現在では両タイトルとも実際の動画を視聴できない状態になっています。べきらが昨2006年後半頃に↑“新宮さんのスポークスマンな藤原さん”動画を見たのはこの2タイトルのうちのいずれかでした。稽古場の床に袴姿で正座したふたり+ほかの劇団員さん達がインタビューに答える、という映像だったと記憶しています。

・舞台『鬼夜叉』その1→



↓ネタバレあり藤原さんレポ


「好きで好きでたまらぬ」(←劇中の鬼夜叉のセリフより/べきらの記憶によるもので、正確ではない可能性があります)お方のことは、想いが膨らみすぎて言葉がなかなかみつからないもの(笑)……舞台『鬼夜叉』での藤原さんレポがすっかり滞ってしまいました(しかも未完ご容赦)。

私・べきらが感じている俳優・藤原習作さんの魅力は、「積み上げてきたものの安定感」「抑制された色気」そして「“悪”の予感と可能性」にあります。
ベテランの実力と余裕で花形・新宮さんを支え受けとめる立場に徹しているので、藤原さんの演技を観ていると正直なところちょっともどかしいような、じらされるような感じになるのです。
もし藤原さんがエネルギーを全面解放したら、さぞや凄絶な色気を発することでしょう……しかも救いようもなく徹底した悪役を演じたら、それはもう強烈な魅力で……想像するだけで悶絶しそうになってしまいます。
「御所さま、どうか昼も夜も、私をおそばから離さないでください――」と一途な恋心をぶつけてくる鬼夜叉(実は暗殺勢力から愛する将軍を死守しようとしていたのですが)を庇護者の余裕の笑顔で抱きとめる藤原さんはため息が出るほど素敵です。
でも、いまひとつセーブ感があって物足りない……女性客を椅子から転げ落ちさせるほどのめくるめく陶酔感は、この人ならばいかようにもおもいのままなはずなのをあえて抑えさせた演出家の意図を恨みたくもなりますが、新宮さんの清純さを活かすため、またあまり扇情的になってはやはりいけないのでしょう、ここは「秘すれば花」と言い聞かせて心を鎮めるべきらなのでした。
とはいえすべてが抑制ばかりではなく、上皇一家を牽制するシーンのサディスティックな暴君ぶりはほれぼれするほどあっぱれでしたし、鬼夜叉に裏切られたと思い込んで激昂するシーンはすごい迫力で圧倒されました。
わしにとってはお前だけが真実だったのに、お前はわしをおろかな男と笑っていたのだな――鬼夜叉が握る太刀の先を自らの頚動脈に当てる将軍の絶望に胸がしめつけられそうでした。

続く――

コメント

非公開コメント

プロフィール

べきら

Author:べきら
観劇の記録です。

Twitter

月別アーカイブ

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。